12月27日、愛知県常滑市の愛知県国際展示場で開催された『SAIKOU×LUSH vol.4 in JAPAN』のメインイベント。IBF世界フライ級タイトルマッチ。王者矢吹正道（緑）＝18勝（17KO）4敗＝選手に、同級1位フェリックス・アルバラード（ニカラグア）＝42勝（35KO）4敗＝が挑んだ指名戦は、矢吹選手が12回1分59秒KO勝ち。
軽量級屈指の高いKO率を誇る両者の対戦は、初回から激しい打撃戦を展開。これまでダウンの経験がないアルバラードは接近戦を挑み、矢吹選手のボディを攻めた。しかし7回、矢吹選手のボディブローでアルバラードの動きが止まる。
8回、矢吹選手のジャブがヒットしアルバラードの前進をストップするが、アルバラードはしぶとく喰い下がり、再び前進。左ボディから右を被せる。矢吹選手はインサイドから右アッパーを突きあげた。終盤に入っても激しい打撃戦が続いたが、11回終了間際、矢吹選手は左フックから右で不倒のアルバラードからダウンを奪う。
最終ラウンド、プレスを強めた矢吹選手はアルバラードを後退させ、左ボディから右ストレートを叩き込み再びダウンを奪う。何とか立ち上がったアルバラードだが、中村勝彦主審は試合続行を認めず、勝負はこれまで。矢吹選手が一発の威力を見せつけ指名挑戦者を撃退した。
セミファイナル。OPBF・東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ。王者でIBF世界同級5位、WBC9位、WBA10位にランクされるケネス・ラバー（フィリピン）＝16戦全勝（11KO）＝に、同級15位アヤティ・サイリケ（中国）＝12勝（5KO）9敗3分＝が挑んだ一戦は、ラバーが2回2分7秒KO勝ち。
サウスポー同士の対戦は、ラバーが初回から自在な攻めでアヤティを圧倒。ガードを固めるだけのアヤティを一方的に攻めたラバーは第2ラウンド、左ストレートでダウンを奪うと、かろうじて再開に応じたアヤティに再び左ストレートを叩き込み、テンカウントを聞かせた。力の差が見て取れた一戦。
マニー・パッキャオ2世、22歳のラバーは亀田プロモーションと共同プロモート契約を締結。今後、世界タイトル挑戦が期待されるが、狙いはWBA王座でレギュラー王者堤聖也（角海老宝石）＝13勝（8KO）無敗3分＝選手との対戦を希望。今後のマッチメイクが注目される。
フェザー級8回戦。元世界3階級制覇王者ジョン・リエル・カシメロ（フィリピン）＝34勝（23KO）5敗1分＝と、元日本ユース・スーパーバンタム級王者の溝越斗夢（LUSH）＝11勝（5KO）5敗2分＝選手の一戦は、カシメロが5回1分10秒TKO勝ち。
カシメロは10月25日にキルギス・ビシュケクで、亀田京之介（MR)＝16勝（9KO）5敗2分＝選手に敗れて以来の再起戦に勝利。溝越選手は初回から右強打を狙うカシメロに対し、足を使わず右カウンターを狙う真っ向勝負を挑んだが、徐々にダメージを蓄積。第5ラウンド、カシメロの左フックでダウン。万事休した。
