世界スーパーバンタム級4団体統一王者井上尚弥(大橋)=29戦全勝(26KO)=選手の次戦は、5月4日(日本時間5日)に米・ラスベガスで、WBC世界同級1位にランクされるデビッド・ピカソ(メキシコ)=31勝(17KO)無敗1分=と対戦する事で計画が進んでいる事が伝えられていたが、ここ数日の間に事態は一変。ピカソ戦は、もはやないとの報道が流れた。
ピカソの父親が勝算がないために、井上選手との対戦辞退を申し入れたというニュースに対し、大橋ジムの大橋秀行会長は、「逃げたんだよ。一度、辞めると言ってきて、またやるとなったけど、やっぱり辞めるって。もう信じられないよね。メキシコ国内で『尚弥に1、2ラウンドで倒される』という声が強まって、父親がびびっちゃったらしい。最強のモンスターと戦える。しかもファイトマネーもかなりのものがある。プロボクサーとしてこんなチャンスはない。普通は喜んでやるでしょう?考えられないよ」と激怒。
しかし、ピカソは今日、自身のインスタグラムで「私が準備ができていないって誰が言ったの?」と投稿。添付された写真には「ピカソvs井上 5月4日 ラスベガス」と記されており、「闘う準備はできています」と世界初挑戦に強い意欲を示している。果たしてどうなる!?。
トップランク社長 犯罪組織リーダーとの取引で告発

トップランクのトッド・デュボフ社長(アラムの再婚相手の息子)が、世界規模の犯罪組織の幹部と名指しされ、犯罪資産局からは、麻薬や銃器をアイルランド、イギリス、ヨーロッパへ密輸し、ヨーロッパ、アジア、中東、南アメリカなどの世界の犯罪組織と結びつきを持つ「キナハン組織犯罪グループ」(通称:キナハン・カルテル)を、支配および管理している人物と告発されている、ダニエル・キナハン(アイルランド)と、タイソン・フューリー(英)の試合をプロモートするために、締結した契約を隠していたとして告発された事が明らかになっている。
デュボフはフューリーと親しいキナハンの力を借り、デオンテイ・ワイルダー(米)との第2戦を実現させたことを、ボブ・アラムとESPNに隠していたとされ、これらを任されたウィリアム・キーンは、トップランクとデュボフに対し、2500万ドル以上の未払い料金を求め、カリフォルニア連邦裁判所に提訴。
キナハンが主導していた、ボクサーのマネージメント会社MTK・グローバルは、契約するボクサーの銀行口座を使って資金洗浄が行われていたとして、2022年4月に閉鎖。ゴールデン・ボーイ・プロモーションを辞した、リチャード・シェイファーが代表を務めたプロべラムも、キナハンとの関係により活動を停止。現在、シェイファーはメイウェザー・プロモーションのCEOとなっている。
井上選手と共同プロモート契約を結ぶトップランクは、7月26日(日本時間27日)を持って、ESPNとの放送契約が終了する事が決定済。デュボフはアラムとESPNに対し、キナハンとの契約を隠していたとされているが、アラムは米国国務省からのキナハンの逮捕および有罪判決につながる情報の提供者に、500万米ドルの懸賞金を支払うと発表した直後に、2019年から2021年の間にフューリーが対戦した、ワイルダーとの2試合、トム・シュワルツ戦、オットー・ワリン戦の計4試合で、キナハンに対しコンサルティング料として約300万ポンド(約4億9000万円)支払ったことを明らかにしており、未払い手数料の云々は別にして、何を今さらという感もある。今後に注目。