9月13日(日本時間14日)、米・ラスベガスのアレジアント・スタジアムで開催された、カネロvsクロフォード興行のセミファイナル。IBF世界スーパーウェルター級3位、WBC4位、WBO14位カラム・ウォルシュ(英)=14戦全勝(11KO)=と、元世界王者を父に持つフェルナンド・バルガスJr(米)=17戦全勝(15KO)=の10回戦は、ウォルシュが判定勝ち。

サウスポー同士の対戦。ジャブの差し合いからスタートした試合は、ウォルシュがボディ打ちから左クロスを合わせ、右フックと打ち分け、序盤戦をリード。中盤に入り小刻みにステップを踏むウォルシュの動きを止めようとするバルガスJrは、右ボディから左ストレートを狙うが浅い。

終盤に入るとウォルシュは顔面へのストレート攻撃を軸に左ボディ、右フック。さらに左スイングと幅広い攻撃と手数でリードを広げて行く。何とか突破口を開きたいバルガスJrだったが、最後まで思い切った攻撃を仕掛ける事は出来ず、ウォルシュの巧さにいなされ完敗。公式スコアは100-90、99-91、99-91。

Callum Walsh vs. Fernando Vargas

WBC世界スーパーミドル級暫定タイトルマッチ10回戦。王者クリスチャン・ムビリ(フランス)=29戦全勝(24KO)=に、同級7位レスター・マルティネス(グアテマラ)=19戦全勝(16KO)=が挑んだ一戦は、10回引き分け。

初回からムビリはマルティネスに肉薄。接近戦でボディから左右フック、アッパーと打って出る。マルティネスも左フック、右ストレートから左右アッパーを突きあげ応戦。早くも打撃戦の様相を呈する。2回、接近戦での打ち合い。押し込んで出るムビリはボディから左右フックの連打を見せるが、マルティネスも左右アッパーから右フックを叩き付けた。

3回、マルティネスは左右アッパーを突きあげ、右ストレートを叩き込む。ムビリも回転の速い連打で前に出た。4回、接近戦での打ち合いが続くが、マルティネスの左右アッパー、右ストレートがムビリの連打を上回る。5回、前進するムビリにマルティネスは左右アッパーを突きあげ、距離が出来るとすかさず右ストレートを放ち、右フックを叩きつけた。

Christian Mbilli vs. Lester Martinez

6回、ムビリの出ばなにマルティネスの左右アッパーが決まる。ムビリは手が減り、右ストレートを交えたマルティネスのメリハリある攻勢が目立つ。7回、マルティネスはジャブ、右ストレートを放ち、接近するムビリを左右アッパーで迎え撃った。

8回、前進するムビリは連打から左フックを強振。マルティネスはワン・ツーを当て、ボディ打ちから右アッパー、フックをヒット。9回、マルティネスの右アッパー、フックがムビリを捕らえる。ワン・ツーからの左アッパーも決まり、ムビリの動きが一瞬止まる。

最終ラウンド、マルティネスはワン・ツーから左アッパーを打ち込み、回り込んで右フック、アッパー。ムビリは前進し左右フックを強振。ラストは両選手激しく打ち合い終了ゴングを聞いた。公式スコアは97-93マルティネス、96-94ムビリと、95-95。ムビリが苦しみながらも王座を死守し初防衛に成功した。好ファイト。

Lester Martinez vs. Christian Mbilli

スーパーフェザー級6回戦。アマチュア9冠の実績を持つ堤麗斗(志成)=2戦全勝(1KO)=選手と、ハビエル・マルティネス(米)=7勝(4KO)2敗=の一戦は、堤選手が初回2分18秒TKO勝ち。サウスポーの堤選手はボディ攻撃でマルティネスに肉薄。一方的に打ち込み、後退するマルティネスを追い左ストレートを叩き込みダウンを奪う。立ち上がったマルティネスだが、アレン・ハギンズ(主審)は続行を認めなかった。

WBC世界スーパーウェルター級1位、WBO4位、IBF5位セルヒイ・ボハチュク(ウクライナ・米在住)=26勝(24KO)2敗=と、ブランドン・アダムス(米)=25勝(16KO)4敗=の10回戦は、アダムスが判定勝ち。スコアは99-91、98-92、98-92。

両者は2021年3月に対戦。ボハチュクが8回逆転TKOで敗れて以来の再戦。ボハチュクは約4年半ぶりの雪辱を目指し、初回から打って出たがアダムスもひるまず応戦。激しい打ち合いを展開したが、ボハチュクの強引なアタックに対し、左ボディ、右ストレートを軸に正確性で勝った36歳のアダムスが勝利。世界上進出を決定付けた。

ヘビー級10回戦。元世界ランカーのジャーメイン・フランクリン(米)=23勝(15KO)2敗=と、2012年ロンドン五輪、2016年リオ五輪スーパーヘビー級金メダリストのイワン・ディチコ(カザフスタン・米在住)=15戦全勝(14KO)=の一戦は、全く見るべきものがない凡戦の末にフランクリンが判定勝ち。スコアは97-92、96-93、95-94(ディイコは8回ホールディングで減点1)。