”リヤド・シーズン”を主導する、サウジアラビアのトゥルキ・アラルシク大臣が個人的に所有する、「リング・マガジン」は、4団体統一世界スーパーバンタム級王者井上尚弥(大橋)=29戦全勝(26KO)=選手が、12月にサウジアラビア・リヤドで開催される、”リヤド・シーズン”カードで試合をする事を発表。また、井上選手の暫定的スケジュールも明らかにした。

トップランクのボブ・アラムの手による米国での次戦は、6月に米・ラスベガスのT−モバイル・アリーナで、WBC世界同級1位のデビッド・ピカソ(メキシコ)=31勝(17KO)無敗1分=と対戦。ピカソに勝利すると、9月に日本のリングに登場。12月にサウジアラビア・リヤドで、”リヤド・シーズン”デビューを果たすことになる。

リング・マガジンは9月の対戦相手は未定とし、12月の”リヤド・シーズン”で、元WBA、IBF統一王者で、現在、WBA暫定王座を保持するムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)=12勝(9KO)1敗=との対戦が有力としているが、アフマダリエフ戦はWBAからの指令もあり、9月に行われる可能性が高い。

そして12月のサウジアラビアで、階級を上げWBA世界フェザー級王者ニック・ボール(英)=21勝(12KO)無敗1分=の持つ王座へ挑戦する事になると見られる。アラルシク大臣は、今年に入り将来観たい夢のカードとして、井上vsボールを挙げている。

ボールは3月15日(日本時間3月16日)に英・リバプールのM&Sバンク・アリーナで、昨年9月3日に東京・有明アリーナで、井上選手の持つ王座に挑戦し7回TKOで敗れた、元IBF世界スーパーバンタム級王者で同級7位にランクされるTJ・ドヘニー(アイルランド)=26勝(20KO)5敗=の挑戦を受ける事が決まっている。

ボールは世界王座を獲得した後、井上選手を迎え撃つ準備は出来ていると公言。次戦相手にドヘニーを選んだのは、井上選手との対戦を意識したものだと思われ、ドヘニーとどんな戦いを演じるのかは、その先に対戦が実現した場合の比較材料となる。

来月、28歳の誕生日を迎えるボールは、身長157センチのノンストップ・ファイターで、昨年6月1日(日本時間2日)にサウジアラビア・リヤドのキングダム・アリーナで、レイモンド・フォード(米)=16勝(8KO)1敗1分=にスプリット(115-113、115-113、113-115)の判定勝ちを収め王座を獲得。ドヘニー戦は2度目の防衛戦となる。

井上選手がボールに勝ち、日本男子選手初の世界5階級制覇を達成すると、再びスーパーバンタム級へ階級を戻し、来年春に東京ドームで、WBC世界バンタム級王者中谷潤人(M・T)=29戦全勝(22KO)=選手との、世紀の日本人対決の実現が現実味を帯びて来る。

1月24日に、東京・有明アリーナで、金藝俊=キム・イェジョン(韓国)=21勝(13KO)3敗2分=の挑戦を4回KOで一蹴した井上選手は、「今年は4試合やる」と明言。アクシデントなく勝ち抜き、ドリーム・マッチへの道を進む事を期待。