11月15日(日本時間16日)にメキシコ・サンルイスポトシで開催されるサンフェル・プロモーション主催興行に出場する、WBO世界フェザー級王者ラファエル・エスピノサ(メキシコ)=27戦全勝(23KO)=の挑戦者は、トップランクからオファーを受けていた、前IBF世界同級王者ルイス・アルベルト・”ベナド”・ロペス(メキシコ)=31勝(18KO)3敗=ではなく、同級9位のアーノルド・ケガイ(ウクライナ)=23勝(14KO)2敗1分=が選ばれた。

ロペスは9月21日(日本時間22日)に、トップランクからエスピノサとの対戦オファーを提示された事を明かし、「正式なオファーをいただき、迷わず承諾した。あとは君だけだ、チャンピオン。メキシコに素晴らしい戦いを届けよう」とのコメントを発し、エスピノサとの対戦を即座に決断していた。

エスピノサと同じくトップランクと契約する33歳のケガイは世界初挑戦。WBO2位までランキングを上げていたケガイは、3月8日(日本時間9日)に米・カリフォルニア州ロングビーチのサンダー・スタジオで、約1年半ぶりの再起戦となる元WBO世界同級1位のジョエ・ゴンサレス(米)=27勝(15KO)5敗=と対戦したが、スプリットの判定負け。ランキングを大きく下降させている。

9月12日(日本時間13日)にドイツ・ベルリンのウーバーイーツ・ミュージックホールで行われた再起戦では、プロキャリア25年、43歳の元WBA世界スーパーフライ級王者リボリオ・ソリス(ベネズエラ)=37勝(18KO)9敗1分1NC=とグローブを交え、8回判定勝ち。

Arnold Khegai vs. Liborio Solis

過去3度の防衛戦を米国開催のトップランク興行で行って来たエスピノサは、4度目にして初のメキシコ凱旋試合となる。185センチの長身、リーチ188センチのエスピノサに対し、身長165センチ、リーチ168センチのケガイがどれだけ迫れるかが試合の焦点となるが、その平均的なボクシング・スタイルと一発の魅力に欠ける事から、悲観的な見方が多い。

同日はIBF世界スーパーライト級3位(1、2位は空位)リンドルフォ・デルガド(メキシコ)=23戦全勝(16KO)=と、同級4位ガブリエル・バレンズエラ(メキシコ)=31勝(17KO)4敗1分=による、IBF世界同級挑戦者決定戦も行なわれる。

しかし、バレンズエラは3月1日(日本時間2日)にプエルトリコ・ファハルドのトマス・ドネス・コロシアムで行われた挑戦者決定戦で、現王者のスプリエル・マティアス(プエルトリコ)=23勝(22KO)2敗=に8回TKOで敗れており、短期間で2度目となる挑戦者決定戦への出場には、批判的意見が出ている。

Richard Torrez Jr.

同日のアンダーカードには元WBA&IBF世界スーパーウェルター級王者フェルナンド・バルガスを父に持つ、エミリアーノ・バルガス(米)=15戦全勝(13KO)=も出場。東京五輪スーパーヘビー級銀メダリストで、IBF世界ヘビー級6位、WBC11位、WBO12位のリチャード・トーレスJr(米)=13戦全勝(11KO)=の出場も予定されている。

しかし、IBF世界ヘビー級挑戦者決定戦への出場オファーを受ける考えを明らかにしていた、5位のモーゼス・イタウマ(英)=13戦全勝(11KO)=が出場辞退を表明した事で、トーレスJrは4位フランク・サンチェス(キューバ)=25勝(18KO)1敗=と挑戦者決定戦で対戦する意思の有無を決定しなければならず、その選択次第となろう。

IBF世界ヘビー級挑戦者決定戦はサンチェスの出場は決まっているが、同級3位エフェ・アジャグバ(ナイジェリア)=19勝(14KO)1敗=が入札後に出場を辞退。5位のイタウマも出場しない事を決め、トーレスJrに順番が回って来た。トーレスJrは11月の試合に出場が決っている事から、サンチェスとは戦わない方がよいという意見もあり、今後が注目される。