WBOは11月8日(日本時間9日)、世界ミドル級王者ジャニベック・アリムカヌウェ(カザフスタン)=16戦全勝(10KO)=と、同級1位ハムザ・シーラーズ(英)=21戦全勝(17KO)=による指名戦の入札開催を決定、入札は11月18日(日本時間19日)にプエルトリコ・サンファンのWBO本部で行われる。
両陣営は11月4日(日本時間5日)に予定されていた入札の7日間延期を申請。これに対し、WBOは7日(日本時間8日)まで交渉期間を延長したが、両陣営は対戦同意に達しなかった。最低落札価格は20万ドル。
シーラーズをプロモートする、クイーンズベリー・プロモーションのフランク・ウォーレンは、来年2月22日(日本時間23日)にサウジアラビア・リヤドで開催される”リヤド・シーズン”興業で、シーラーズの世界初挑戦を実現させることを明らかにしており、入札の行方が注目される。
トップランクのボブ・アラムは、サウジアラビアでのアリムカヌウェvsシーラーズ開催には、乗り気でなかったことも伝えられているが、ウォーレンはWBC1位、IBF4位、WBA6位にランクされるシーラーズのターゲットは、WBO王座にこだわらない姿勢を見せており、プレミア・ボクシング・チャンピオンズと契約する、WBA王者エリスランディ・ララ(キューバ)=30勝(18KO)3敗3分=への挑戦交渉が行われている事も明らかになっている。
WBC王者のカルロス・アダメス(ドミニカ)=24勝(18KO)1敗=は、アリムカヌウェに対し対戦の用意がある事を表明。すでに対戦交渉のメールが送信されている事を明かしたが、アリムカヌウェ自身は何も聞かされていないようで、「契約書を送って下さい」と反応。
IBF世界同級王座も保持するアリムカヌウェは、10月4日にオーストラリア・シドニーのザ・スター・シドニーで行われたIBF指名戦で、同級3位(1,2位は空位)にランクされていたアンドレイ・ミハイロヴィチ(ニュージーランド)=21勝(13KO)1敗=を9回TKOで破ったが、この試合にWBO王座が賭けられなかった事で、WBOは王座剥奪も辞さずの構えを見せたが、その理由を明確にする事で、アリムカヌウェは王座の保持を認められた。
WBO世界同級の指名戦は、2021年4月17日(日本時間18日)に当時王座を保持していたデメトリアス・アンドラーデ(米)が、米・フロリダ州ハリウッドのセミノール・ハードロック・ホテル&カジノで、同級2位リーアム・ウィリアムス(英)に12回判定勝ちして以来、行われていない。
WBOの新会長グスタボ・オリビエリは、アリムカヌウェの指名戦を厳格に行う姿勢で、シーラーズが辞退した場合、同級2位デンゼル・ベントレー(英)=20勝(17KO)3敗1分=、3位シェーン・モズリーJr(米)=22勝(12KO)4敗=のランキング上位者にチャンスが回る。
しかし、2位のベントレーとは2022年11月12日(日本時間13日)に米・ラスベガスのパームズ・カジノ・リゾートで対戦。12回判定でアリムカヌウェが、王座防衛を果たしておりカードとしての興味は薄い。だが、このクラスで4団体王座統一を目指すアリムカヌウェは、WBC王者と対戦する例外が認められる以外は、WBOの指名する相手と戦うしかない。