WBC世界スーパーウェルター級暫定王者バージル・オルティスJr(米)=23戦全勝(21KO)=と、元WBC世界ウェルター級&WBAスーパー王者で、現在、WBC、WBO、IBF世界スーパーウェルター級8位にランクされるキース・サーマン(米)=31勝(23KO)1敗1NC=の対戦交渉が、10月開催を目指しゴールデン・ボーイ・プロモーションと、プレミア・ボクシング・チャンピオンズにより進められ、最終調整に入っている事が明かになった。
オルティスJrは2月22日(日本時間23日)にサウジアラビア・リヤドで、IBF世界ウェルター級王座を保持していたジャロン・”ブーツ”・エニス(米)=34勝(30KO)無敗1NC=との対戦が決定寸前まで行ったが、最後の最後に契約書に記されていた契約ウェイトが147ポンドだった事により頓挫。
エニスに変わり、前WBA世界同級王者イスラエル・マドリモフ(ウズベキスタン)=10勝(7KO)2敗1分=と対戦したオルティスJrは、12回判定勝ちを収め初防衛に成功。
その後、7月に入りスーパーウェルター級転向を表明し、IBF世界ウェルター級王座を返上したエニスは、リヤド・シーズン”を主導するサウジアラビアのトゥルキ・アラルシク大臣の肝煎りで、改めて11月にオルティスJr(米)と対戦する交渉が進められていたが、その前にテスト試合を希望。オルティスJrとエニスの対戦は、早くても来年前半まで再度持ち越されている。
一方、36歳のサーマンは2019年7月20日(日本時間21日)に米・ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで、マニー・パッキャオ(フィリピン)=62勝(39KO)8敗3分=と、WBA王座統一戦で対戦。初回にダウンを奪われ12回判定負けで世界王座から陥落。同年9月には慢性的な痛みに襲われていた左手の手術に踏み切り、リングから遠ざかる事になる。

リング復帰は2022年2月5日(日本時間6日)に米・ラスベガスのマンダレイ・ベイ・リゾート&カジノで行われた、WBC世界ウェルター級挑戦者決定戦で、現WBC世界ウェルター級王者マリオ・バリオス(米)=29勝(18KO)2敗2分=に12回大差の判定勝ち。
2024年3月30日(日本時間31日)には米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナで、WBO世界スーパーウェルター級王座を保持していたティム・チュー(オーストラリア)=25勝(18KO)3敗=と、155ポンドのキャッチウェイトで対戦が決まったが、サーマンは上腕二頭筋の負傷により欠場。
またしても長期ブランクを作ったサーマンは、今年に入り3月12日にオーストラリア・シドニーへ遠征。ブロック・ジャービス(オーストラリア)=22勝(20KO)2敗=に3回2分19秒TKO勝ちを収め、約3年1ヶ月ぶりのリング復帰を果たしている。バリオスには勝っているが、ジャービス戦だけではサーマンの復調ぶりは測れず、オルティスJrに分があるように思える。
また、同じプログラムでは前WBO世界スーパーライト級暫定王者で、WBC2位、WBO6位にランクされるアーノルド・バルボサJr(米)=32勝(11KO)1敗=と、昨年6月15日(日本時間16日)に米・ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで、ジェルボンテ・デービス(米)=30勝(28KO)無敗1分=が保持するWBA世界ライト級王座に挑み、8回KO負けを喫したフランク・マーティン(米)=18勝(12KO)1敗=の対戦も交渉が進められている。