WBO世界フライ級王者アンソニー・オラスクアガ(米)=9勝(6KO)1敗=に、同級1位のフアン・カルロス・カマチョJr(プエルトリコ)=19勝(8KO)1敗1NC=が挑む指名戦は、9月13日(日本時間14日)に米・ラスベガスのアレジアント・スタジアムで開催される、カネロ・アルバレスvsテレンス・クロフォードのファイト・ウィークに組み込まれる事が決定。
オラスクアガは3月13日に東京・両国国技館で行われた2度目の防衛戦で、元世界2階級制覇王者の京口紘人(ワタナベ)=19勝(12KO)3敗=選手の挑戦を受けたが、うまく距離を支配し、パワーパンチを随所で有効に決め、11回にはダウンをスコアし12回判定勝ち。今度が3度目の防衛戦となる。
28歳のカマチョJrは、キャリア9年、身長163センチのオーソドックス・スタイル。唯一の黒星はキャリア7戦目の6回戦で0-2判定負けを喫したもので、昨年10月30日(日本時間31日)にプエルトリコ・ウマカオで、ジェイソンママ(フィリピン)=20勝(10KO)3敗1分=を10回で破り、空位のNABO同級王座を獲得。
しかし、カマチョJrは初回、ママの右ストレートを喰い後方へバランスを崩すようにダウン。9回には再び右ストレートを相打ちのタイミングでもらい、今度は前のめりに両手を付くダウン。いずれもすぐに立って再開に応じたが、公式スコアはチャーリー・ルイズ(米・プエルトリコ在住)96-92、フランシス・ジャクソン(米領ヴァージン諸島)95-93でカマチョJr、モハマド・アキル・タマノ(フィリピン)96-92ママのスプリットと割れた。
3月29日(日本時間30日)にメキシコ・カンクンで行われた最新試合は、ダビッド・ウンベルト・タピア(メキシコ)=6勝(1KO)7敗2分=との8回戦で、判定勝利を収めたが、メキシコ人ジャッジ3人のスコアは、77-74、76-75、75-76のスプリットだった。

カマチョJrはママに勝利した後、昨年12月に発表されたWBOランキングで1位にランクされていたフランシスコ・”チワワ”・ロドリゲスJr(メキシコ)=39勝(27KO)6敗1分=が、スーパーフライ級3位に移動した為に、代わってトップの座に就き指名挑戦者として挑戦する事になった。
オラスクアガは好戦的なカマチョJrとは噛み合いそうで、パワー、タフネスに勝る王者が力でねじ伏せる可能性が高いと見る。ママのパンチで倒れたシーンを見ると、オラスクアガの強打試合を支配するように思われる。
カネロvsクロフォードを含めファイト・ウェークは3日間開催される。その先駆けとして9月11日(日本時間12日)に、WBA世界ヘビー級1位マイケル・ハンター(米)=24勝(17KO)1敗2分=と、同級6位ジャレル・ミラー(米)=26勝(22KO)1敗2分=の対戦をメインイベントとする興行が発表されている。
これを聞いた、ハンターとプロモート契約するドン・キングは、興行を主催するサウジアラビアのSELAと、TKOボクシング(UFCのホワイトCEO、WWEのニック・カーン会長、サウジアラビアのトゥルキ・アラルシク大臣が今年初めに設立したベンチャー企業)が運営する、TKOグループ・ホールディングスに対し、営業停止命令を出しており、このカードが行われるかどうかは、現在、不透明な状態。
しかし、興行を主導するアラルシク大臣は、12日(日本時間13日)も含め3日間行われる興行で、最大19試合のアンダーカードを用意する事を公言しており、他にも好カードが組み込まれる可能性は十分。他に軽量級も入って来そうで、そちらも楽しみです。