11月24日、トヨタ・アリーナ東京で開催された『Prime Video Boxing 14』のメインイベント。WBC世界バンタム級王座決定戦。同級1位那須川天心(帝拳)=7戦全勝(2KO)=選手と、同級2位井上拓真(大橋)=20勝(5KO)2敗=選手の一戦は、井上選手が12回判定勝利を飾り、3度目(暫定含)の世界王座獲得に成功。那須川選手はキックボクシング、MMAを含めた格闘技でのプロ公式戦初黒星となった。
初回、那須川選手は左ストレートをクリーンヒット、2回には右フックを決める好調なスタートを切った。警戒心からか動きの固かった井上選手は、なかなか中へ入っていけない。しかし、3回から前に出るボクシングを展開。先手で仕掛けると那須川選手は後手に回り受け身となった。4回終了時の公開スコアは38-38×3。

中盤に入っても井上選手は積極的ボクシングを展開。カウンター狙いだった那須川選手は7回、接近戦を挑むが井上選手はうまさを見せペースは変わらない。8回、井上選手はギアを上げるが、那須川選手も鋭いカウンターを返した。8回終了時の公開スコアは、76-76、77-75、78-74で2者が井上選手のリード。

9回以降も井上選手は攻めの姿勢を崩さず、プレスを掛け前進。11回、井上選手はアッパーの連打で攻勢。那須川選手は打って来いと挑発する素振りを見せるが、空振りが増える。最終ラウンドは激しく打ち合ったが、ここでも井上選手が、巧さを見せつけ試合終了ゴング。
公式スコアは117-111、116-112、116-112で井上選手。立ち上がり、いやな予感を感じさせた井上選手だが、3回以降は見事に立て直し、随所で巧さを見せた井上選手の引き出しの多さが、那須川選手を上回った。

