10月13日(日本時間14日)、WBAは世界フェザー級王者ニック・ボール(英)=23勝(13KO)無敗1分=と、同級1位ブランドン・フィゲロア(米)=26勝(19KO)2敗1分=の指名戦を指令。交渉期限は11月12日(日本時間13日)までで、対戦同意に達しない場合は入札となる。
WBAはチャンピオンシップ委員会のルールにより、「ボールは王座に就いた日から9ヶ月以内に、挑戦権保持者を相手に防衛戦を行わなければならない。2024年6月1日に王座を獲得したボールは、2025年3月1日が挑戦権保持者との防衛戦期限となっており、フィゲロアと対戦しなければならない」としている。
2024年6月にレイモンド・フォード(米)=18勝(8KO)1敗1分=をスプリットの判定で破り王座を獲得したボールは、昨年10月の初防衛戦で7位ロニー・リオス(米)=34勝(17KO)5敗=に10回TKO勝ち。今年3月には6位のTJ・ドヘニー(アイルランド)=26勝(20KO)6敗=を10回棄権に追い込みV2に成功。8月の3度目の防衛戦では、階級を上げて来た5位サム・グッドマン(オーストラリア)=20勝(8KO)1敗=に苦戦の末に判定勝利。

前WBC世界同級王者フィゲロアは、7月19日(日本時間20日)に米・ラスベガスのMGMグランドで行われた戦者決定戦で、同級7位にランクされていたジョエ・ゴンサレス(米)=27勝(15KO)5敗=に判定勝ちを収め挑戦権を獲得していた。
しかし、WBAには8月8日(日本時間9日)にリビア・ベンガジで行われた暫定王座決定戦で、8回戦を3度戦っただけで、10回戦は未経験。19戦のキャリアの中で勝ち越している選手と戦ったのは2度だけで、5連敗以上を継続中の相手が10人もいる、同級15位セルヒオ・リオス・ヒメネス(メキシコ)=19勝(7KO)1敗=を軽く2回でKOし、暫定王座を獲得したミルコ・クエロ(アルゼンチン)=15戦全勝(12KO)=が存在する。
最初に挑戦権を獲得したのはフィゲロアだがクエロは暫定王者。先にWBA王座統一戦が指令されるのが順番だとも思うが、クエロは、12月6日(日本時間7日)に再びリビアで戦う事が発表されており、自由選択の初防衛戦が行われる事が明らかになっている。

また、同日WBAは世界ウェルター級レギュラー王者ロランド・ロメロ(米))=17勝(13KO)2敗=と、同級1位シャハラム・ギヤソフ(ウズベキスタン)=17戦全勝(10KO)=の指名戦を指令。交渉期間は30日間となっている。ロメロは5月2日(日本時間3日)に米・ニューヨークのタイムズスクエアで、ライアン・ガルシア(米)=24勝(20KO)2敗1NC=からダウンを奪う判定勝ちで王座を獲得。
WBAチャンピオンシップ委員会はルールにより、ロメロは120日以内に防衛戦を消化する義務があったが、それがなされなかった為に次の対戦相手は、挑戦権保持者のギヤソフでなければならないとされ、義務防衛期間満了後60日以内にチャンピオンが非義務試合を行うことを禁じている。
ロメロは来年1月24日(日本時間25日)に米・ラスベガスで次戦を行う事を発表した、元世界6階級制覇王者で、WBC世界ウェルター級1位にランクされるマニー・パッキャオ(フィリピン)=62勝(39KO)8敗3分=の、対戦相手候補の筆頭にあげられており、マッチルーム・ボクシングと契約するギヤソフとの義務試合が割り込んで来る事は興味深い。
WBA世界選手権委員会は、適用される防衛戦期間の変更。その他の様々なルールの適用を一時停止する、明示的な権限を持っており、そのルールに基づき特別許可を与える事が出来るとされている。これは要するにどんな事でもどうにでも出来るというふうに理解でき、今さらながら義務付けられた指名戦が、どう決着するのかに注目。