2月8日(日本時間9日)、米・テキサス州サンアントニオのボーイング・センター・アット・テック・ポートで開催された、プロボックス、サンプソン・ボクシング、テキサス・ボクサー&ブローラーズプロモーション共催興行のメインカード。WBA中南米大陸スーパーバンタム級タイトル10回戦。王者でWBA世界同級2位、IBF8位、WBO10位のラモン・カルディナス(米)=25勝(14KO)1敗=に、WBA9位ブライアン・アコスタ(メキシコ)=20戦全勝(8KO)=が挑んだ一戦は、カルディナスが判定勝ち。

地元リングで絶大な人気を誇るカルディナスは、速い左ジャブから左フックでスタート。初の米国リングとなるアコスタも、左フックを狙ったが、カルディナスは右カウンターをヒット。2回には、身長で上回るアコスタが、サウスポーにスイッチを見せる。しかし、ハンドスピードで勝るカルディナスは、左リードから左フックを上下に打ち込んだ。

4回、アコスタは左フックから右を振り抜くが、カルディナスはインサイドに入りうまくこれを交わし、ショートブロー。5回、プレスを掛けいきなりの左フックを狙うアコスタだが、これは当たらずカルディナスが手数でリード。6回、カルディナスの右オーバーハンドがクリーンヒット。アコスタは距離を縮め左右フックを振る。

7回、押し込んで出たアコスタの右フックが決まり、カルディナスがダウン。しかし、追撃を振り切りラウンド終了。8回、右構えにスイッチしたアコスタが圧力を強め、接近戦で左右フック。9回、開始と共にアコスタは前進。距離を詰め左右フックを振り、左ボディ、右アッパー。カルディナスは押し込まれながらも、ショートブローを返した。

最終ラウンド、押し込んで出るアコスタは接近戦で左右フックを叩きつけ右アッパー。カルディナスは押されながらも手を出し、終了間際、両者激しく打ち合い、試合終了ゴング。スコアは97-92、95-94、95-94。カルディナスが苦しみながらも、世界ランカー対決に勝利。次回発表のWBAランキングで、現在空位の同級1位にランクされるかに注目。

セミファイナル、ライト級10回戦。元IBF世界スーパーフェザー級王者シャフカッツ・ラヒモフ(タジキスタン)=17勝(14KO)1敗1分=が、昨年4月22日(日本時間23日)に英・カーディフのモーターポイント・アリーナで、ジョー・コルディナ(英)=17勝(9KO)1敗=にスプリットの判定で敗れて以来の再起戦で、ジャスティン・パウルド(米)=17勝(8KO)2敗1NC=とグローブを交えた一戦は、パウルドが8回1分53秒KO勝ち。

初回、サウスポーのラヒモフは上体を振り積極的に出たが、パウルドの左フックをテンプルに喰い、思わず両手をキャンバスへ付くダウン。すぐに立ったラヒモフだが、パウルドの右ストレート、左フックの前に苦戦の様相を呈する。2回以降、ラヒモフは左ストレートを上下に散らし前に出るが、パウルドのコンパクトな右ストレート、左フックを被弾。3回には右ボディアッパーでラヒモフの上体が丸まった。

中盤もラヒモフは攻めきれず、パウルドの右ストレート、左フック、右ボディアッパーを被弾。手は出すがまともにパンチを貰うラヒモフは、徐々にダメージを蓄積させていった。迎えた第8ラウンド、パウルドのシャープなワン・ツー・ストレートがラヒモフを襲うと、ラヒモフはキャンバスへ落下。ダメージは甚大で動けぬ元王者を見たコーナーからは白いタオルが投入された。

ロニー・シールズに師事するパウルドが鮮やかなKOで、昨年2月にミゲル・マドゥエノ(メキシコ)=31勝(28KO)3敗=にスプリットの判定で敗れて以来の再起戦に勝利。今後が注目される。ラヒモフには限界が感じられ、再び上位を目指す事は難しいだろう。

バンタム級10回戦。マイケル・アンジェレッティ(米)=12戦全勝(7KO)=と、ジュディ・フローレス(フィリピン)=14勝(8KO)3敗=の一戦は、ジャブの差し合いから互いにカウンターを狙ったが、第3ラウンド、アンジェレッティがワン・ツーの右をボディに突き刺すとフローレスはダウン。そのまま立てずテンカウントを聞いた。