11月2日(日本時間3日)に米・ラスベガスのヴァージン・ホテルズ・ラスベガス、ザ・シアターで開催された、ゴールデン・ボーイ・プロモーション興行。メインのWBAインターナショナル・ライト級タイトルマッチ12回戦。WBA世界同級2位、IBF14位にランクされるフロイド・スコフィールド(米)=17戦全勝(12KO)=に、挑戦者レネ・テレス・ジロン(メキシコ)=20勝(13KO)3敗=が挑んだ一戦は、スコフィールドが判定勝ち。
試合を前に圧倒的勝利を宣言した22歳の俊英スコフィールドは、初回から速いジャブを中心にジロンに迫る。ジワリ前進するジロンだが、スピードの差は明らか。2回にはサウスポーにスイッチしたスコフィールドは、3回、シャープなコンビネーションで攻勢に出たが、ジロンも左フックを振り負けじと応戦。簡単には終わらなそうな予感が漂う。
ジャブを中心に速いパンチをヒットしては動くスコフィールドにポイントは振り分けられるが、パンチを合わせる機会を伺うジロンにひるむ様子はなく、スコフィールドも思い切った攻撃が出来ずにラウンドは進行。終盤の10回になると疲れからかスコフィールドはヒットを奪ってはいるが、被弾も増え、接近し揉み合う時間が増える。
そして11回、スコフィールドの右フックに合わせたジロンの左フックがテンプルに決まると、スコフィールドがまさかのダウン。再開後は反撃に出たが、ジロンも打ち合いに応じラウンド終了。最終ラウンド、逆転を狙い突進するジロンを何とか捌き、試合終了となったが、敗者はまるで勝者のように誇らしげだった。
オフィシャルのスコアは118-109、118-109、116-111。ポイントでは圧勝のスコフィールドだが、今後への課題が大きく浮き彫りにされる、苦い勝利となった。
セミファイナル。WBA世界スーパーミドル級挑戦者決定戦。同級6位ベクテミル・メリクジエフ(ウズベキスタン)=14勝(10KO)1敗=と、同級10位デビッド・スティーブンス(米)=14勝(10KO)1敗=の12回戦は、メリクジエフが判定勝ち。スコアは118-110、117-111メリクジエフと、116-112スティーブンスのスプリット。
メリクジエフはこの勝利で同級暫定王者カレブ・プラント(米)=23勝(14KO)2敗=への挑戦権を手にしたと思われるが、この日の内容では上位との対戦は厳しいものになるだろう。
IBF女子世界フライ級王者ガブリエラ・フンドラ(米)=14戦全勝(6KO)=と、WBA、WBC、WBO女子世界同級王者ガブリエラ・アラニス(アルゼンチン)=15勝(6KO)1敗=による、4団体王座統一戦は、フンドラが7回1分40秒TKO勝ち。22歳のフンドラが痛烈なTKO勝利で、念願の4団体王座統一に成功。
初回、長身サウスポーのフンドラはゆったりと構え、アラニスの出鼻に左ストレート、右フックを合わせるタイミングを探る。2回、アラニスは上体を小刻みに振りながら右ストレートを上下に散らし、左フック。3回、フンドラのジャブをかいくぐり、アラニスの左フックがクリーンヒット。
4回、フンドラはジャブを増やし右フックをヒット。続く左ストレート、アッパーもアラニスを捉えた。5回、アラニスの右に対し、フンドラも左ストレート、ボディアッパーを返す。6回、フンドラはアラニスの頭を追わずボディ攻撃。7回、頭の振りが減ったアラニスに、フンドラの左ストレートが決まり、アラニスはダウン。苦笑いで再開に応じたアラニスだが、フンドラの左ストレートがカウンターで決まると、再びキャンバスへ落下。立ち上がったが、ダメージは大きく試合はストップ。
WBAインターナショナル・スーパーミドル級タイトルマッチ10回戦。王者でWBA世界同級6位にランクされるダリウス・フルガム(米)=12戦全勝(10KO)=に、挑戦者クリストファー・ピアソン(米)=17勝(12KO)4敗1分1NC=が挑んだ一戦は、フルガムが3回1分2秒TKO勝ち。
フルガムは試合開始からガードを上げ後退するばかりのサウスポー、ピアソンを追い、初回終了間際には右を叩きつけダウンを奪う。2回も戦意が感じられないピアソンを一方的に打ち込み、続く第3ラウンド、フルガムが強烈な右アッパーを決め、さらに追撃すると試合はストップ。
デビュー以来4戦全KO勝ち。全て2回以内で終わらせている、21歳のウェルター級新鋭ジョエル・イリアルテ(米)は、6回戦でザビエル・マドリード(米)=5勝(2KO)5敗=と対戦。初回2分50秒TKO勝ちで、連続KO勝利を5に伸ばした。