3月30日、愛知県国際展示場で行われたWBC世界ミニマム級タイトルマッチは、王者王者メルビン・ジェルサレム(フィリピン)=24勝(12KO)3敗=が、前王者で同級1位にランクされる重岡優大(ワタナベ)=9勝(5KO)2敗=選手を、12回大差の判定で破り、重岡選手の王座返り咲きを阻み、2度目の防衛に成功。
公式スコアは119-109、118-110、116-112。重岡選手はノーモーションで伸びて来るジェルサレムの右ストレートを被弾。試合を通じこのパンチに苦しみ、約1年ぶりとなったリベンジ戦に敗れた。3回に右を喰い、相手が縦に二重に見えたという重岡選手は、右眼窩底骨折の疑いがあり、試合後、病院へ直行。
日本での世界戦で3戦負けなしとなったジェルサレムは、「重岡はいい選手。彼はまだ若いから、またチャンピオンになれるだろう」と敗者にエールを送り、王者の余裕を見せた。
指名挑戦者を一蹴したジェルサレムの次なる野望は、WBO王者時代に一度敗れている、WBO世界同級&WBAスーパー王者オスカー・コラーゾ(プエルトリコ)=12戦全勝(9KO)=への雪辱を果たし、王座統一を果たす事。
3月29日(日本時間30日)、メキシコ・カンクンで開催された、ゴールデン・ボーイ・プロモーション主催興行の共同メインに出場したコラーゾは、WBO3位、WBA11位のドウィン・カノ(メキシコ)=13勝(4KO)3敗1分=を、初回から縦横無尽なスピードある動きで翻弄。第5ラウンド、ボディへの強烈なパンチで挑戦者を悶絶KO。強さを見せつけている。

自らの勝利から数時間後に日本で行われたWBCタイトル戦でジェルサレムが勝利すると、コラーゾは「ジェルサレムを連れてきてくれ」と、Xに投稿。対戦実現を心待ちにしており、ゴールデン・ボーイ・プロモーションのオスカー・デラホーヤも、プエルトリコのスター、コラーゾの4団体王座統一実現を以前から口にしており、今後の交渉が注目される。
両者は2023年5月27日(日本時間28日)に米・カリフォルニア州インディオのファンタジー・スプリングス・カジノで対戦。WBO王座を保持していたジェルサレムに、同級1位のコラーゾが指名挑戦者として挑戦。序盤、ジェルサレムは得意の右ストレートでリードしたが、5回、攻勢に転じたコラーゾのボディショットで後退。6回、7回とコラーゾのボディ攻撃にたじたじとなった王者は、7回が終了するとあっさりと棄権。
ジェルサレムは僅か4ヶ月で世界王座を手放し、初防衛に失敗。しかし、昨年3月に重岡選手の持つWBC王座に挑戦し、スプリットの判定で勝利。世界王座返り咲きに成功。コラーゾは昨年11月16日(日本時間17日)にサウジアラビア・リヤドのザ・ヴィニューで、WBA世界同級スーパー王者タンマヌーン・ニヨムトロン(タイ)=25勝(9KO)1敗=を7回TKOで破り、WBA王座を吸収。4団体王座統一を目標に掲げている。