4月5日(日本時間6日)、米・ラスベガスのパームズ・カジノ・リゾートで開催されたトップランク興行。メインイベントのIBF北米ヘビー級王座決定戦。東京五輪スーパーヘビー級銀メダリストで、IBF世界ヘビー級14位のリチャード・トーレスJr(米)=12戦全勝(11KO)=と、IBF世界同級13位、WBC、WBO15位グイド・ヴィアネッロ(イタリア)=13勝(11KO)2敗1分=の一戦は、トーレスJrが判定勝ち。

初回、身長で劣るサウスポーのトーレスJrは、上体を揺らし飛び込む機会を伺うが、ヴィアネッロは右カウンターを狙う。2回、トーレスJrが接近しては揉み合いを繰り返す展開となり、ヴィアネッロはホールディングで減点1。3回、左ストレート、右フックを振り飛び込むトーレスJrに、ヴィアネッロは右アッパーを合わせる。

4回、互いにパンチを出しては揉み合うばかりとなった両者にブーイングが飛ぶ。終了間際、トーレスJrの右フックがヒット。5回、ヴィアネッロの左ストレートがヒット。トーレスJrは右フックを返す。6回、飛び込んで来るトーレスJrにヴィアネッロは右アッパー。距離が開くとジャブ。

7回、ヴィアネッロの右ストレート、アッパーに対し、トーレスJrは右フック。8回、トーレスJrの左フックがクリーンヒット。互いに疲労の色が濃くなる。9回、トーレスJrが左右フックで突進し連打。しかし、右瞼をカット。鼻からも出血し苦しい。対するヴィアネッロも疲れた。

最終ラウンド、消耗が激しい両者は、打っては揉み合う中、試合終了ゴングを聞いた。スコアは98-91、98-91、97-92。トーレスJrが苦しみながらも、初めての10回を戦い抜き、ステップアップの白星を手にした。

WBC世界スーパーライト級挑戦者決定戦。WBC世界スーパーライト級5位、IBF7位、WBO8位リンドルフォ・デルガド(メキシコ)=22戦全勝(16KO)=と、IBF世界同級5位、WBO14位、WBC15位エルビス・ロドリゲス(ドミニカ)=17勝(13KO)1敗1分=の一戦は、デルガドが判定勝ち。

ジワリ追うデルガドにサウスポーのロドリゲスは、ガードを固め左ストレートを上下に散らす。デルガドはプレスを掛け、右ストレートを軸にロドリゲスを追うが、手数は少ない。共に警戒しながらラウンドを重ねた試合は、互いにパンチを当てにくい流れが続き終盤戦へ突入。

迎えた第9ラウンド、ロドリゲスのワン・ツーが決まるとデルガドは大きくよろけたが、ロープに引っ掛かりキャンバスへの落下は回避。この試合、両者を通じ初めてのダメージングブローだった。このピンチを乗り切ったデルガドが勝利を手にしたが、ポイントの割り振りが難しい試合だった。スコアは96-94、96-94、95-95。

デルガドがWBC世界同級王者アルベルト・プエジョ(ドミニカ)=24戦全勝(10KO)=への挑戦権を獲得すすと共に、保持するWBOラテン同級王座の防衛に成功。

NABO&NABFライト級王座決定戦。WBC世界ライト級7位、WBO8位アブドゥラ・メイスン(米)=17戦全勝(15KO)=と、カルロス・オルネラス(メキシコ)=28(15KO)勝4敗=の一戦は、メイスンが6回3分TKO勝ちで新王者。

サウスポー同士の一戦は、身長、リーチで勝るメイスンがロングレンジからジャブを伸ばしスタート。オルネラスは左アッパーを突き下げた。2回、メイスンは左を打ち下ろし、右フックをボディに差し込み、打ってくるオルネラスに左フックをカウンターで決めダウンを奪う。

4回、メイソンは左打ち下ろしから、ボディ連打。終盤には打ち合いに応じ、うまく左フックをカウンター。この試合、2度目のダウンを奪う。6回、オルネラスは低い姿勢から左アッパー、フックを狙い抵抗するが、メイスンはこれを交わし、左をストレート、フック、アッパーと打ち分け、この試合3度目のダウンを奪う。ここも再開に応じたオルネラスだったが、7回開始早々、ダメージを蓄積させ、右目もカットしたオルネラスにドクターチェックが入り、試合はストップされた。