WBOは世界ライトヘビー級暫定王者カラム・スミス(英)=31勝(22KO)2敗=と、前WBA世界同級レギュラー王者で同級3位にランクされるデビッド・モレル(キューバ)=12勝(9KO)1敗=によるタイトル戦を指令。交渉期間は30日間で、対戦同意に達しない場合は入札となる。
世界ライトヘビー級はWBO、IBF世界ライトヘビー級&WBAスーパー同級王者ドミトリー・ビボル(ロシア)=24勝(12KO)1敗=と、元4団体統一世界ライトヘビー級王者アルツール・ベテルビエフ(ロシア→カナダ)=21(20KO)1敗=の第3戦開催が既定路線で、WBOのグスタボ・オリビエリ会長は、このクラスのタイトル戦活性化の為にスミスvsモレルを指令したとしている。
元WBA世界スーパーミドル級スーパー王者のスミスは、2月22日(日本時間23日)にサウジアラビア・リヤドのキングダム・アリーナで開催された”リヤド・シーズン”で、ジョシュア・ブアッツィ(英)=19勝(13KO)1敗=が保持していた暫定王座に挑み、12回判定で王座を獲得し、2階級制覇に成功。
一方のモレルは2月1日(日本時間2日)に米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナで、現WBC世界ライトヘビー級王者デビッド・べナビデス(米)=30戦全勝(24KO)=と対戦したが、12回判定で敗れWBAレギュラー王座から陥落。
しかし、7月12日(日本時間13日)に米・ニューヨーク、クイーンズのルイ・アームストロング・スタジアムで開催された、ゴールデン・プロモーション興行「Ring Magazine 3」で行われた再起戦では、IBF世界同級6位、WBC8位、WBA10位、WBO15位のイマム・ハタエフ(オーストラリア)=10勝(9KO)1敗=に10回判定勝ち。
モレルは強打とタフネスを誇るハタエフに苦戦。第5ラウンド終了間際にはハタエフの右ストレートでダウンを奪われたが、終盤、総合力でポイントを挽回。苦しみながらも10回スプリットの判定をものにした。
階級を上げブアッツィ戦では、キャリア最高とも思えるパフォーマンスを見せたスミスと、好センス、才能あふれるモレルの対戦は面白い試合となりそうです。
元4団体統一王者ジョシュ・テイラー 引退表明

34歳の元4団体統一世界スーパーライト級王者ジョシュ・テイラー(英)=19勝(13KO)3敗=が、引退を発表。テイラーは2022年2月26日(日本時間27日)に英・グラスゴーで行われた、ジャック・カテロール(英)=31勝(13KO)2敗=との防衛戦で、際どいスプリット判定で勝利したが、試合後、疑惑の判定と大騒動になり、英・下院議長が警察に調査を依頼する等、大問題に発展。
その後、保持していたWBA王座は剥奪され、WBC、IBF王座は返上。2023年6月10日(日本時間11日)に米・ニューヨークで、残るWBO王座を賭けてテオフィモ・ロペス(米)=22勝(13KO)1敗=と対戦するが、12回判定で敗れ初黒星を喫し、世界王座を失った。
昨年5月25日(日本時間26日)に英・リーズで行われた、カテロールとの因縁の再戦でも、12回判定で敗れ2連敗。それでも再起を目指し、5月24日(日本時間25日)に英・グラスゴーで階級を上げ、エコウ・エスマン(英)=22勝(8KO)1敗=と、空位のWBOグローバル・ウェルター級王座を争ったが、ここも判定で敗れ3連敗。周囲からはもう限界と、引退を勧める声があがっていた。
テイラーは眼疾により、このまま現役を続ければ失明の可能性もあると診断されていた事を明かし、「ボクシング続けたい気持ちはあるが、ドクター、周囲の人たちの意見を聞き入れなければならない。私を支えてくれた人たち全てに感謝の気持ちを伝えます」とのコメントを発し、10年間のリング生活に別れを告げた。