8月31日(日本時間9月1日)、米・カリフォルニア州カーソンのディグニティ・ヘルス・スポーツパークで開催された、マッチルーム・ボクシング興行のメインカード。WBC・USA&WBOインターナショナル・スーパーミドル級タイトルマッチ12回戦。王者でWBO世界スーパーミドル級1位、WBC3位、IBF5位、WBA13位にランクされるディエゴ・パチェコ(米)=21戦全勝(17KO)=に、挑戦者WBO14位マチェイ・スレツキ(ポーランド)=32勝(12KO)2敗=が挑んだ一戦は、パチェコが6回54秒KO勝ち。

立ち上がり、身長で上回るパチェコはジャブを当て、右ストレートに繋げる。3回、プレスを強めたパチェコは右ストレート、左フックを決め優位に立つと、5回には右アッパーを決め、連打でスレツキを追い込む。続く第6ラウンド、パチェコの右ストレートから返しの左ボディが決まるとスレツキはダウン。キャンバスで悶絶しながらテンカウントを聞いた。

セミファイナル。IBF世界スーパーフェザー級1位エドゥアルド・ヌニェス(メキシコ)=26勝(26KO)1敗=と、元世界挑戦者ミゲル・マリアガ(コロンビア)=31勝(26KO)7敗=のライト級10回戦は、ヌニェスが6回終了KO勝ち(カリフォルニア州ルール)。

初回、37歳のマリアガは弧を描くような大きな右フックを浅く決め、左フックもヒット。ヌニェスは慎重な立ち上がり。2回、ジワリとプレスをかけるヌニェスの右フックでマリアガはぐらり。3回、ヌニェスは再び右フックを叩きつけマリアガの膝を揺らせる。

4回、ヌニェスの右フックでマリアガはダウン。ヌニェスの追撃を懸命のディフェンスで凌ぎ終了ゴング。5回、6回とヌニェスは前進。守勢一方のマリアガを追う。徐々にダメージを蓄積させながらもマリアガは、逆転の一発を狙い抵抗を見せる。しかし6回終了間際、ヌニェスの左ボディが決まると、一瞬間を置きキャンバスへ落下。何とか立ち上がり終了ゴングを聞いたが、マリアガ陣営はこの回が終了すると棄権を選択。

WBC米大陸スーパーバンタム級王座戦。王者アルトゥーロ・カルデナス(メキシコ)=14勝(8KO)無敗1分=に、挑戦者ヘスス・アレチガ(メキシコ)=21勝(15KO)1敗=が挑んだ一戦は、カルデナスが判定勝ち。スコアは98-92、96-94カルデナスと、96-94アレチガのスプリット。

2回、左フックを決めたカルデナスは、ジャブから右ストレート、左フックを上下に散らし前進。アレチガは左の打ち終わりに右ストレートを狙った。中盤、カルデナスは固いブロックでアレチガの攻撃を分断。ジャブを中心に正確なヒットを奪った。終盤に入ってもカルデナスはジャブを軸にペースを落とさず、最終ラウンド、アレチガの攻勢はサイドへ動いて交わした。カルデナスは勝ち味は遅いが、堅実なボクシングで勝利。アレチガは21連勝の後、2連敗となった。

WBAインターコンチネンタル・クルーザー級タイトルマッチ。王者でWBA世界同級4位、IBF8位、WBC14位、WBO15位のチーボン・クラーク(英)=9戦全勝(7KO)=に、挑戦者エフェトボール・アポチ(ナイジェリア)=12勝(12KO)2敗=が挑んだ一戦は、クラークが判定勝ち。スコアは98-92、97-93、95-95。

強打者同士の対戦。ジャブから右ストレート、フックを叩きつけるアポチに対し、クラークはボディ攻撃から右アッパーを突き上げる。中盤はアポチのコンビネーションと、クラークの右アッパー、左フックが交錯。8回はクラークの右ストレートでアポチの足元が大きく揺れる。しかし9回終了間際、アポチの右フックで今度はクラークがぐらり。最終ラウンドはアポチが右ストレート、左右フックでクラークを追い込み、試合終了ゴングを聞いた。

勝利を確信し笑顔でコールを待つアポチに対し、暗い表情で判定を待つクラークのそれは、敗北を覚悟しているようにも見える薄氷の勝利だった。クラークは米国初戦で白星を得たが、上位への対戦をアピールをするには至らなかった。

WBC暫定女子世界スーパーフライ級タイトルマッチ。暫定王者アデライダ・ルイス(米)=16勝(8KO)無敗1分=に、東京五輪代表からプロ転向した挑戦者ジニー・フックス(米)=3戦全勝(1KO)=が挑んだ一戦は、フックスが判定勝ち。スコアは100-90、97-93フックスと、97-93ルイスのスプリット。

両選手、よく手を出し合ったが、積極的に仕掛けたサウスポーのフックスが、中盤のルイスの反撃を抑え、終盤はスピードを活かしたコンビネーションで勝利。初10回戦で王座獲得に成功した。ルイスは2022年9月に獲得したタイトルの初防衛に失敗。