2月14日(日本時間15日)、米・ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン・シアターで開催された、トップランク興行のメインイベント。WBO世界ライト級タイトルマッチ。王者デニス・ベリンチク(ウクライナ)=19戦全勝(9KO)=に、同級1位キーショーン・デービス(米)=12勝(8KO)無敗1NC=が挑んだ一戦は、デービスが4回1分45秒KO勝ちで新王者。
ロンドン五輪ライトウェルター級銀メダリストで36歳のべリンチクと、25歳の東京五輪ライト級銀メダリストのデービスの対戦。初回、べリンチクは足を使い、スイッチを織り交ぜデービスの懐に飛び込むが、クリンチで動きは寸断される。2回、べリンチクはサウスポースタイルで頭から飛び込むが、デービスは右アッパーをカウンター。3回、デービスの左ボディが決まったタイミングで、べリンチクがバランスを崩しダウン。8カウントが数えられた。
4回、べリンチクは容易にデービスに近づけず、デービスはジャブを突き、プレスを掛けインサイドから右アッパー。なおも距離を詰めて出て来るべリンチクに、デービスの左フックがカウンターでヒット。さらに距離が詰まりべリンチクの上体が伸び切ったところに、デービスの右から左のアッパーが突き刺さる。たまらずキャンバスへ膝を落としたべリンチクは、そのまま動けずテンカウントを聞いた。
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セミファイナル。NABF&NABOスーパーウェルター級タイトルマッチ。王者でWBO世界同級1位、WBC3位、IBF5位にランクされるザンダー・ザヤス(プエルトリコ)=20戦全勝(12KO)=に、WBO世界同級11位スラワ・スポマー(ドイツ)=20戦全勝(11KO)=が挑んだ一戦は、ザヤスが9回2分1秒TKO勝ち。
初回、ザヤスは速いジャブから切れのある右ストレートを放ち、左フックを上下に散らす。スポマーは早くも鼻から出血。2回、ロイ・ジョーンズJrがチーフセコンドについたスポマーが出るが、ザヤスは落ち着いてデイフェンスし、左ボディ、左アッパーを突き上げる。
3回、ザヤスの左ボディが決まるが、スポマーも右を振り応戦。4回、ザヤスの左ボディが決まりスポマーの動きが止まる。連打でフィニッシュを狙ったザヤスだが、スポマーの右がカウンターとなりヒット。ザヤスは一瞬グラり。5回、ザヤスはジャブを突き無理には出ない。ザヤスのローブローで試合は一時中断。
6回、ザヤスはジャブを突き、スポマーの上体を起こしボディ攻撃。7回、試合のペースを握ったザヤスはジャブを突き、丁寧な攻め。スポマーは下らず、勇敢に打ち返す。8回、ザヤスはジャブから左ボディを叩き左アッパーをヒット。しかし、スポマーはしぶとく、右を被せて粘る。
9回、ザヤスの左ボディが突き刺さりスポマーは大きく腰を落とすが倒れない。すかさず追撃のザヤス。動きの止まったスポマーに連打から再び左ボディを決め、ザヤスの腰が落ちるとチャーリー・フィッチ(米)主審は、ここまでと見て試合をストップ。ザヤスも良かったが、スポマーの頑張りは大いに称えられる。
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WBC・USA&WBOインターナショナル&IBF・USBAミドル級王座決定10回戦。昨年6月にプレミア・ボクシング・チャンピオンズを離脱し、トップランクと契約したWBA世界スーパーウェルター級5位ヴィト・ミエルニッキJr(米)=20勝(12KO)1敗=のミドル級転向第一戦。WBA世界ミドル級3位コナー・コイル(アイルランド/米在住)=21戦全勝(9KO)=との一戦は、10回引き分けで王者は決まらず。
初回、ジャブの差し合いに勝ったミエルニッキJrは、2回、右フックをねじ込みコイルをグラつかせる。しかし、コイルは4回からプレスを強め前進。両者打ち合った。6回、ミエルニッキJrはコイルのプレスを受け止め、右カウンターをヒット。7回、互いに下らず接近戦での打ち合いとなるが、ミエルニッキJrの右アッパー、左フックがヒット。
8回、コイルの右アッパーが決まったが、ミエルニッキJrは圧力を強め左フック・カウンターを狙う。9回、コイルが出て両者近距離で打ち合う。ボディを叩き合い、右アッパー、左フックが交錯。最終ラウンドも接近戦での打ち合いとなったが、終盤、ミエルニッキJrの横殴りの右が決まった。スコアリングの難しい展開が続いた試合は、96-94ミエルニッキJrと、95-95、95-95でドロー。
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元世界2階級制覇王者ファン・マヌエル・ロペス(プエルトリコ)2世、19歳のファンマ・ロペス・デ・ヘスス(プエルトリコ)のプロデビュー戦。ブライアン・サンティアゴ(米)=1勝1敗1分=とのスーパーフライ級4回戦は、ロペスが初回59秒KO勝ち。
ファンミタの愛称を持つロペスは、父親と同じサウスポースタイルからフットワークを使い、速いジャブ、左ストレーでプレスを掛けると、サンティアゴの出鼻に左アッパーをカウンター。見事な一撃で、仰向けにキャンバスへ倒れたサンティアゴは、全く動く事が出来すにテンカウントを聞いた。今後が楽しみです。
ライト級8回戦。WBC世界ライト級10位、WBO13位アブドゥラ・メイスン(米)=16戦全勝(14KO)=と、マヌエル・ハイメス(米)=16勝(11KO)2敗1分=の一戦は、メイスンが4回TKO勝ち。
トップランク期待の新星サウスポーのメイスンは、立ち上がりから速いジャブから左を上下に打ち込みハイメスに迫り、2回に左アッパーでダウンを奪うと、続く3回にも左アッパーから右フックを決めダウンを追加。そして4回、左クロスでダウンを奪うと、再開後、強烈な左ボディーアッパーを突き刺し、右をフォロー。ハイメスがキャンバスへ崩れ落ちると、レフェリーはノーカウントで試合をストップ。これまでKO負けのないハイメスを見事に倒したメイスンは、これで7連続KO。
へビー級10回戦。デビューから14連続KOの記録を持つジャレッド・アンダーソン(米)=17勝(15KO)1敗=が、再起戦でマリオス・コリアス(ギリシャ)=12勝(10KO)3敗1分=とグローブを交えた一戦は、アンダーソンが判定勝ち。スコアは99-91、99-91、98-92。
ミドル級6回戦。モハメド・アリの孫ニコ・アリ・ウォルシュ(米)=10勝(5KO)1敗1NC=と、フアン・カルロス・ゲラJr(米)=5勝(2KO)1敗1分=の一戦は、ゲラJrが判定勝ち。スコアは58-56、58-56ゲラJrと、58-56ウォルシュのスプリット。