5月10日(日本時間11日)に米・カリフォルニア州サンディエゴのペチャンガ アリーナで開催されるトップランク興行の前日計量が同地で行われた。WBO世界スーパーフェザー級タイトルマッチに出場する、王者エマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)=39勝(32KO)2敗1分=は、最初130.4ポンドでリミットを0.4ポンドオーバー。すぐに服を全て脱いで、再度、計量台に乗ったが、130.3ポンド。挑戦者の同級1位チャーリー・スアレス(フィリピン)=18戦全勝(10KO)=は、129.9ポンドでパスした。

2時間の猶予が与えられたナバレッテは、急ぎ体重を削る作業に入ったが、3回目も130.2ポンドでクリアできず、この時点で残り45分。

中々ウェイトが落ちないナバレッテは、急ぎ計量台を降り、残り0.2ポンドを落とす作業に入ったが、果たしてリミットまで下げる事が出来るのか、かなり危ぶまれた。

残り時間もわずかとなった所で計量会場に現れたナバレッテは体重計に乗ったが、係員は「息を吐いて」と告げ、ナバレッテは大きく息を吐き出し、もう一度トライ。ようやく130ポンドのスーパーフェザー級リミットを計測した。

Emanuel Navarrete

ナバレッテは最初の計量に現れた時点でかなりやつれて見え、ようやく計量をパスした表情には苦闘の色がありあり。この2時間の減量との戦いが、無敗の挑戦者を迎える試合でのパフォーマンスに与える影響が心配される。また、ナバレッテが防衛に成功した場合でも、階級を上げる事になりそう。

共同メインとして行われるIBF世界ライト級暫定王座決定戦に出場する、同級2位(1位は空位)にランクされるザウル・アブドゥラエフ(ロシア)=20勝(12KO)1敗=は、134.6ポンド。同級4位のレイモンド・ムラタラ(米)=22戦全勝(17KO)=は134.4ポンドで、それぞれ一発でクリア。

IBF世界同級王者に君臨するワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)=18勝(12KO)3敗=は、昨年5月12日にオーストラリア・パースで、ジョージ・カンボソスJr(オーストラリア)=22勝(10KO)3敗=を11回2分49秒TKOで破り、世界王座返り咲きを果たして以来リングに上がっておらず、現在もその去就は不透明なまま。

IBFはロマチェンコは10月8日(日本時間9日)までに防衛戦を行う必要があるとしており、アブドゥラエフvsムラタラ勝者との対戦交渉が進まなければ、8月8日(日本時間9日)に対戦指令を出す考えを明らかにしている。