12月27日(日本時間28日)にサウジアラビア・リヤドのモハメド・アブド・アリーナで、前WBA、WBC世界フライ級王者でIBF世界スーパーフライ級6位にランクされる寺地拳四朗(BMB)=25勝(16KO)2敗=選手の挑戦を受ける事が決まった、IBF世界同級王者ウィリバルド・ガルシア(メキシコ)=23勝(13KO)5敗2分1NC=は、寺地選手の3階級制覇阻止に不敵な自信を見せている。

35歳のガルシアは27歳でプロデビュー。デビュー戦こそ白星で飾ったものの2戦目から一つのノーコンテストを含め4連敗という厳しいスタートからキャリアを挽回。昨年12月21日にツインメッセ静岡で行われた世界王座決定戦では、レネ・カリスト(メキシコ)=23勝(9KO)1敗1分=と対戦。積極的アタックでガルシアのカウンター攻撃を押さえたかと思われたが、公式スコアは118-110ガルシア、116-112カリストと、114-114の引き分け。

IBFは即時に両者に再戦を指令。5月23日(日本時間24日)にメキシコ・サカテカスで行われた再戦は序盤から激しい打撃戦となったが、中盤、カリストの左ボディブローが功を奏したのか、ガルシアの動きが鈍る。しかし、ガルシアは失速することなく蘇り、再び圧力を強めダイナミックなアタックを敢行。両者は最後まで激しく打ち合ったが、ガルシアが旺盛な闘志とスタミナで、カリストを押し切り、116-112、115-113ガルシアと、115-113カリストのスプリット判定で勝利し王座を獲得。

Willibaldo Garcia

今度が初防衛戦となるガルシアは、寺地選手が7月30日に横浜BUNTAIで、リカルド・サンドバル(米)=27勝(18KO)2敗=にスプリットの判定で敗れ世界王座から陥落した試合を観た後、「彼は相手が打ってくると必ずバックを踏んでからボクシングを始める。ノックアウトできると思う」と自信のコメント。

トレーナーのペドロ・モランは、「私たちは勝つ自信もあるし、ノックアウトする自信もある。寺地よりもバム・ロドリゲス(WBC、WBO王者)の方がもっと強い。寺地は彼の半分もない」と、きっぱり言い。11月22日(日本時間23日)にサウジアラビア・リヤドで行われる、ロドリゲスvsマルティネス(WBA王者)による王座統一戦勝者との対戦を意識している事を隠さない。

ガルシアのダイナミックで積極的なファイトは、初めてスーパーフライ級で戦う事になる寺地選手にとって厄介ではあるが、これまで積み上げて来た実績から試合の予想は、「ガルシアにとって厳しい試合になる」と、寺地選手有利と見る声が、ガルシアの地元メキシコからも聞こえている。

寺地選手のジャブを軸にしたスピードボクシングに、左ボディと右カウンターが加味されれば、ガルシアの攻勢を空回りさせる事も可能だろう。いずれにしてもIBF戦の勝者が、ロドリゲスvsマルティネスの3団体戦勝者と、4団体王座統一を賭けて戦う事になる可能性は高い。寺地選手の3階級制覇達成に期待。