IBF世界ミニマム級王座統一戦。王者ダニエル・バラダレス(メキシコ)=26勝(15KO)3敗1分1NC=vs暫定王者重岡銀次朗(ワタナベ)=9勝(7KO)無敗1NC=。10月7日、東京・大田区総合体育館。今年1月の対戦では、第3ラウンドに、重岡選手の顎とバラダレスの後頭部が接触した後、パラダレスが試合続行不能を訴えノーコンテスト。その後、暫定王座を獲得した重岡選手は、今度こそ決着をつけるべく闘志を燃やしてリング登場。
1月の試合でのノーコンテスト裁定は、母国メキシコでも疑問符が投げつけられ、バラダレスは名誉回復の為にも負けられない。しかし、試合は初回、サウスポーの重岡選手がワン・ツーでダウンを奪い、早くも優位に立った。
重岡選手は的確なパンチでバラダレスを追い詰めて行った。焦るバラダレスは右パンチと共に頭を持って行き、初回、重岡選手は右目上、バラダレスは前頭部をカット。第2ラウンド、右を振って反撃に出たパラダレスだが、バッティングにより減点1。
重岡選手はバラダレスの頭を交わしながら、冷静に左を上下に打ち分け主導権を握った。
第5ラウンド。重岡選手は左アッパーでパラダレスの顎を跳ね上げると、ボディへも左を打ち込み動きを止め、一気の連打で襲い掛かる。見かねたチャーリー・フィッチ(米)主審は、すかさず試合をストップ。TKOタイム第5ラウンド2分15秒。
4回までのスコアも、ジャッジ三者が揃って重岡選手のフルマークとしていた。
完璧な勝利で王座統一と初防衛に成功した重岡選手は、「正規チャンピオンのベルトのために15年間、お兄ちゃんと頑張って来た。本当のチャンピオンになれたということで、チャンピオンの自覚を持って日本ボクシングを盛り上げるためにがんばりたい」と、リング上で挨拶。今後の防衛ロードに注目。