IBF世界フェザー級2位決定戦。同級5位亀田和毅（YMK）＝40勝（22KO）3敗＝vs同級8位レラト・ドラミニ（南ア）＝19勝（11KO）2敗＝。10月7日、東京・大田区総合体育館。元2階級制覇王者の亀田選手は、フェザー級転向第一戦。ドラミニに勝ち、来年にも世界王座へ挑戦を狙う。
29歳のドラミニは昨年10月、英・リバプールでジェームズ・ディケンズ（英）＝32勝（12KO）5敗＝と空位のIBO王座を争ったが、113-115、113-115、112-116のスコアで判定負け。今年7月に自国での再起戦に勝ち、日本に乗り込んで来た。
試合は速い左の差し合いからスタート。
スピーディーな展開から手数と多彩なパンチで抜け出したのはドラミニ。受け身に回った亀田選手は手数が少ない。ドラミニは軽快な動きから速い左ジャブを中心に、ポイントを重ねて行った。
第9ラウンド。前に出た亀田選手はパワーパンチで攻勢。10回には左ボディが入り、ドラミニは倒されたが、足を滑らせており主審の判断はスリップ。直ちにリングサイドでビデオ検証が行われたが、スリップの判定は変わらなった。
11回、12回と追い上げた亀田選手だが決定打が出ないまま試合終了。ドラミニの逃げ切りを許した。
公式スコアはフェルナンド・ヴィラリアル（米）116-112、マイク・フィッツジェラルド（米）116-112でドラミニと、染谷路朗（日本）115-113で亀田選手のスプリット。
まさかの判定負けにがっくりと肩を落とした亀田選手は、「井上尚弥（大橋）選手との戦いがモチベーションだったが、負けてしまった。井上チャンプの名前を出したのは申し訳なかった」と詫びた。大きく計画が狂ったが、一夜明け、「下がれば上がるだけ。倒れれば起き上がるだけ。必ず這い上がります。男は負けて終われない。絶対にやり返します」と、再起を宣言している。
勝者ドラミニはリング上で叫び喜びを爆発させ、「日本で強い元世界王者と戦い、勝ててすごくうれしい。亀田和毅は今まで対戦してきた中でも上位のグッドファイター。スピードがあり、爆発力があり経験もあった」と、亀田選手を称えた。この日の勝利でIBFランキング2位の座を勝ち取ったが、亀田選手はWBAでも5位にランクされており、WBA王者りー・ウッド（英）が王座返上しスーパーフェザー級へ転級する事もあり、次回WBAランキングで何位に入るのかも注目される。
