5月4日(日本時間5日)に米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催されたトップランク興行。共同メインのWBO世界フェザー級タイトルマッチ12回戦は、王者ラファエル・エスピノサ(メキシコ)=26戦全勝(22KO)=に、同級10位エドワード・バスケス(米)=17勝(4KO)2敗1NC=が挑戦。

Rafael Espinoza vs Edward Vazquez

29歳のバスケスは、2023年11月4日(日本時間5日)にモナコ・モンテカルロのカジノ・ド・モンテカルロで、16戦全勝(9KO)の戦歴を誇っていたIBF世界スーパーフェザー級王者ジョー・コルディナ(英)に挑戦。体格差はあったが、しつこい連打で喰い下がり12回0-2判定負けを喫して以来、2度目の世界挑戦。大いに自信を見せていた。

身長185センチと、このクラスでは群を抜く長身のエスピノサは、試合開始からバスケスの動きをよく見てジャブを放ち、距離が詰まると左右アッパーを突き上げた。

身長で15センチ劣るバスケスは、上体をローリングさせ前進。エスピノサの懐に入り込もうとするが、長い左が邪魔をする。

エスピノサは打ち下ろしの右ストレート、左右アッパーでバスケスの顔面を打ち、さらに右ストレートをボディに差し込むなど、バスケスを翻弄。

エスピノサのショート連打の前に前進を阻まれたバスケスは、徐々にダメージを蓄積させて行った。

Rafael Espinoza vs Edward Vazquez
Rafael Espinoza vs Edward Vazquez

王座奪取に執念を見せるバスケスも懸命の反撃。しかし、長くは続かない。

Rafael Espinoza vs Edward Vazquez
Rafael Espinoza vs Edward Vazquez

エスピノサは左右アッパーでバスケスの顔面を叩き、右ストレート、左ボディブローでバスケスを削って行った。

Rafael Espinoza vs Edward Vazquez
Rafael Espinoza vs Edward Vazquez

第7ラウンド、エスピノサの右アッパーを喰い後退したバスケスは、続く左ボディで動きが止まる。チャンスと見たエスピノサは、一気の連打でバスケスに迫る。

青コーナーに追い詰められたバスケスが防戦一方となり、エスピノサの猛攻にさらされと、たまりかねたハーヴェイ・ドック(米)主審は、間に割って入り試合をストップ。

Rafael Espinoza vs Edward Vazquez

TKOタイム7回1分47秒。

Rafael Espinoza vs Edward Vazquez
Rafael Espinoza vs Edward Vazquez

エスピノサが快勝で3度目の防衛に成功。バスケスはキャリア初のストップ負けとなった。

Rafael Espinoza vs Edward Vazquez

エスピノサはリング上で勝利を喜ぶ傍ら、試合後、ドレッシングルームのベッドに横たわるバスケスを訪問。ダメージを心配し、熱い抱擁を交わし健闘を称えている。

Rafael Espinoza vs Edward Vazquez

この日のメインイベントに出場する、4団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(大橋)=30戦全勝(27KO)=選手と戦う事が夢だというエスピノサは、「井上尚弥との対戦は私が望んでいる試合だ。実現させる準備は整っている」と話し、減量苦もささやかれるなか、フェザー級にとどまる事を表明。井上選手のフェザー級転向を心待ちにしている。