6月8日、東京・有明コロシアム。WBC、IBF世界バンタム級王座統一戦。WBC王者”ビッグバン”・中谷潤人(M・T)=30戦全勝(23KO)=vsIBF王者西田凌佑(六島)=10戦全勝(2KO)=。『Prime Video Boxing 13』。

ついに日本人選手同士による世界バンタム級王座統一戦が実現。中谷選手からの対戦希望を快く受け入れた西田選手は、落ち着いた表情でリングイン。

リングアナウンサーはジミー・レノンJr(米)。この試合はESPNにより米国へも配信された。

開始ゴングを前に闘志みなぎる両選手。

初回、開始ゴングと共に中谷選手は西田選手に突進。

中谷選手はエンジン全開で、強い左右アッパーを突き上げる。

中谷選手はこれまでにないスタイルで、西田選手を潰しにかかった。

「ダメージを与えようと思っていた」という中谷選手の早い攻めに対し、西田選手はインサイドからのショートブローで応戦。中谷選手が後退する場面もあった。


威力十分の中谷選手のパンチにも、西田選手はひるまず反撃。


激しい攻防戦が繰り広げられるさなか、中谷選手は西田選手のダメージを感じ取っていた。


西田選手のインサイドから放たれる左ストレートは、度々中谷選手を脅かした。


4回、右目を腫らしながらも西田選手は、持ち味であるショートブローを打ち込む。このラウンドはジャッジ三者が揃って西田選手に与えた。


初回から西田選手を狂わそうと思って仕掛けた中谷選手。

右目が腫れた西田選手は、徐々に苦しくなって来た。

中谷選手のジャブが西田選手の腫れた右目にヒット。

5回、中谷選手の左ストレートを喰いながらも懸命に反撃の西田選手。

右のパンチが減って来た西田選手は、コーナーで右肩を冷やす。


6回、ほとんど塞がった西田選手の右目にドクターチェックが入る。


中谷選手は容赦なく西田選手に襲いかかった。

中谷選手の強烈な左アッパーが西田選手の顎を痛打。


6回が終了すると西田選手は棄権。六島ジムの枝川会長は右肩を押さえ、無念の表情。


WBC、IBF2本のベルトを肩に、中谷選手は福地主審の勝利者コールを受ける。

第3ラウンドに痛めたという西田選手の右肩は、関節脱臼後の腱盤損傷の疑いがあり、試合後、記者会見をキャンセルし病院へ直行。

6回終了時のスコアカードは、59-55、58-56、58-56で、いずれも中谷選手がリードしていた。

これまでにない力づくのラフな戦いで王座統一に成功した中谷選手は、「西田選手のおかげで成長できた。だからこそ、統一チャンピオンになれた重みがある」と語り、西田選手を称えた。
そして、リングサイドで観戦していた4団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(大橋)=30戦全勝(27KO)=選手に対し、「もうすぐ行くので、待っててください」と笑顔で呼びかけた。
来年5月に東京ドームで井上選手とのスーパーマッチが計画される中谷選手は、今後について、「いろんな選択肢が増える。階級を上げるのも想定している」としているが、体が大きくなって来ている事もあり、井上戦を見すえて、早めに階級を上げる可能性が高いだろう。