OPBF東洋太平洋フェザー級級王者で、IBF世界同級8位、WBA、WBC10位、WBO11位にランクされる中野幹士(帝拳)=12戦全勝(11KO)=選手が、5月4日(日本時間5日)に米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催されたトップランク興行で、米国リング・デビュー。フェザー級10回戦で、元NABO同級王者ペドロ・マルケス(プエルトリコ)=16勝(10KO)1敗=とグローブを交えた。

Mikito Nakano vs Pedro Marquez

米国リング初登場となるサウスポーの中野選手は、15連勝中のマルケスを相手に落ち着いた立ち上がりで、自分の距離をキープ。ロングレンジから左ストレートを伸ばし、ボディアッパー。マルケスも右を放つが届かない。

第2ラウンド、中野選手はワン・ツー・ストレートをマルケスのガードの隙間から突き刺しダウンを奪う。キャリア初のダウンとなったマルケスは、倒れた自分を納得させるかのようにうなずいていた。

再開後、中野選手は右フックで2度目のダウンを奪ったが、立ったマルケスは反撃の姿勢を見せる。

第3ラウンド、中野選手は左ストレートをきれいに伸ばし、この試合3度目のダウンを奪う。

ここも立ってきたマルケスは、強い右ストレート、左フックを強振し中野選手に迫るが、中野選手は慌てずにこれを捌き、左カウンターを狙った。

第4ラウンド、喰い下がるマルケスに付け入る隙を与えない中野選手は、相手の動きをよく見て、僅かなガードの隙間から左ストレートをボディに伸ばし、右フックをボディへねじ込み、4度目のダウンを奪う。

ここも立ったマルケスだが、再開後、中野選手がまたしてもボディへ右フックを打ち込むと、たまらずキャンバスへ膝を折る。ここで、ハーヴェイ・ドック(米)主審は試合をストップ。

TKOタイム4回1分58秒。

Mikito Nakano vs Pedro Marquez

「ゴングが鳴るまで緊張していました」という中野選手だが、ダウン経験のなかったマルケスから5度のダウンを奪い圧倒した試合の評価は高い。ガードの隙間をきれいに割り、上下に突き刺した左ストレートは見事で、世界の予感を感じさせる試合でした。

少し前、帝拳ジムの田中繊大トレーナーに、「次の世界チャンピオン候補は誰ですか」と尋ねると、即座に「中野幹人」という答えが返って来たことが思い起こされます。「またアメリカに戻って戦いたい」と語った中野選手の次戦に注目。