9月14日に名古屋のIGアリーナで開催された、4団体統一世界スーパーバンタム級タイトル戦は、WBC、WBO、IBF&WBAスーパー王者井上尚弥(大橋)=31戦全勝(27KO)=選手が、WBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)=14勝(11KO)2敗=に、全く付け入る隙を与えず12回判定勝ち。

Naoya Inoue vs. Murodjon Akhmadaliev
Naoya Inoue vs. Murodjon Akhmadaliev

2015年世界選手権バンタム級準優勝、2016年リオ五輪バンタム級銅メダリスのアフマダリエフは、強打とタフネスを併せ持つ危険な相手。井上選手はいつになく慎重な立ち上がりで、アフマダリエフと対峙した。

Naoya Inoue vs. Murodjon Akhmadaliev
Naoya Inoue vs. Murodjon Akhmadaliev

井上選手は打った後はすかさずテップバックで動き、アフマダリエフに的を絞らさせないアウトボクシングを展開。

Naoya Inoue vs. Murodjon Akhmadaliev
Naoya Inoue vs. Murodjon Akhmadaliev

6回になるとアフマダリエフの動きを読み切った井上選手には余裕が生まれ、ジャブ、右ストレートに加え、強烈な左ボディを打ち込み完全にペースを掌握。

Naoya Inoue vs. Murodjon Akhmadaliev
Naoya Inoue vs. Murodjon Akhmadaliev

スピードの違いをは明らかで、的確なヒットを奪いリードを広げて行った井上選手は、終盤に入っても打っては動く丁寧なボクシングを継続。

Naoya Inoue vs. Murodjon Akhmadaliev
Naoya Inoue vs. Murodjon Akhmadaliev

井上選手の強烈なボディブローにも耐えたアフマダリエフは、一発逆転の可能性を秘める強打に賭けたが、スピードに勝り動きを読み切っている井上選手は、まともには喰らわない。

Naoya Inoue vs. Murodjon Akhmadaliev
Naoya Inoue vs. Murodjon Akhmadaliev

最後まで深追いはしなかったが、見事なアウトボクシングを展開。「負けるとしたらここ」とまで言われたアフマダリエフを、全く寄せ付けずに試合終了ゴングを聞いた。

Naoya Inoue vs. Murodjon Akhmadaliev

「アウトボクシングもいけるでしょ?。誰が衰えたって?」と、井上選手は戦前、一部評論家が予想した王座危機説を一蹴。

Naoya Inoue vs. Murodjon Akhmadaliev

公式スコアはマイク・フィッツジェラルド(米)118-110、フアン・カルロス・ペラヨ(メキシコ)118-110、ヘラルド・マルティネス(プエルトリコ)117-111。しかし、フルマークといってもよいほどの完勝に思えた。

Naoya Inoue vs. Murodjon Akhmadaliev
Naoya Inoue vs. Murodjon Akhmadaliev

トップランクの総帥、93歳のボブ・アラムも井上選手を祝福。

Naoya Inoue vs. Murodjon Akhmadaliev

この勝利により井上選手は、12月27日(日本時間28日)にサウジアラビア・リヤドで開催される、”リヤド・シーズン”で、WBC世界同級1位のアラン・デビッド・ピカソ(メキシコ)=31勝(17KO)無敗1分=と対戦する事が決定。既に契約書にサインを済ませている事を公表しているピカソは、「最大限の準備をし、責任をもって挑戦し、その勝利について考えるしかない」と話し、井上選手の勝利を聞いた翌朝早く、ロードワークに出発している。