9月14日に名古屋のIGアリーナで開催される、4団体統一世界スーパーバンタム級王者井上尚弥(大橋)=30戦全勝(27KO)=選手と、WBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)=14勝(11KO)1敗=の対戦をメインとする大橋プロモーション興行の前日計量が、13日、試合会場のサブアリーナで国内では異例となるファン公開で行われた。
全席指定(5500円)で一般公開された前日計量と、「翌日見どころトークショー」には1492人のファンが駆けつけた。井上選手は「思った以上に来てくれて、すごく盛り上がりました。(テンションは)いつもと段違いですね」と笑顔を見せた。



井上選手は55.2キロでクリア。
「明日は(今までと)ちょっと違う井上尚弥と、生き生きした楽しそうな井上尚弥と、両方見られると思います。自分も、そんな自分に期待したい。1ラウンドから多分ヒリヒリする、楽しい展開、緊張する展開になると思うので、そこを楽しんでもらえたら。自分もそこを楽しみながら、戦いたいなと思います」とリラックスした表情で語った。


アフマダリエフは55キロでパス。
「水抜きもしていない。無理をしていない。朝は朝食も食べたし、水も飲んだ」と自信の表情を見せた。
公開計量に対しては、「すごくいい雰囲気。日本のサポーターはあたたかくて大好き」と笑顔を見せ、井上選手の印象を聞かれると、「大変いい準備をしてきたのではないか。とてもいいコンディションに見えます」と敬意を表し、「私も100%の仕上がりです」と対戦を待ち望んだ。
セミファイナルのWBO世界バンタム級タイトルマッチは、王者武居由樹(大橋)=11戦全勝(9KO)=選手に、同級1位の指名挑戦者クリスチャン・メディナ(メキシコ)=25勝(18KO)4敗=が挑む。


武居選手はリミットの53.5キロでクリア。
武居選手は「仕上がりは良い。凄くスムーズに減量できたし、コンディションも良い状態。あとはしっかりリカバリーして明日を迎えたい」と好調をアピール。
フェースオフでは、メディナが一歩前へ出て、武居選手の鼻先まで顔を近づけ超接近戦となった。「向こうから詰めてきたのでちょっと燃えた。良い試合になりそうだなという感じがする」と闘志をかき立てられた様子で、試合に関しては「向こうも気持ちが強そうなので、打ち合いとなる場面も絶対どこかである。打ち合いになるのなら、良い打ち合いをしたい。チャンピオンとしての格の違いを見せてやろうかと思ってます。尚弥さんより派手にバチッと倒したい。」と意気込んだ。


メディナは53.4キロでパス。
フェースオフでの超接近戦に付いて聞かれると、計量の後なので盛り上げようと思って」とケロリ。試合に関しては「打ち合いに来るのなら打ち合う。武居次第だ」と返答。元スパーリングパートナーの那須川天心(帝拳)選手からは、「頑張ってください」と激励されたと明かした。
WBA世界ミニマム級レギュラー王座決定戦は、同級1位高田勇仁(ライオンズ)=16勝(6KO)8敗3分=選手と、同級2位松本流星(帝拳)=6戦全勝(4KO)=選手が対戦。



高田選手と松本選手は共にリミット100gアンダーの47.5キロでクリア。
27歳の高田選手はプロ10年目にして初の世界戦。元東洋スーパーライト級王者のライオン古山(笹崎・古山哲夫)氏が創設したライオンズジムからは初の世界戦出場で、79歳の古山氏が3度挑み到達する事が出来なかった、悲願の世界王座獲得なるかにも注目が集まる。
多くの敗北を喫し約3年間勝てなかった時期もあり、「やっとここまで来れなっていうのが強い」と感慨深げに語り、「楽しむ思いで行こうと思う。自分のタイミングと距離感に持っていきたい」と、大一番に懸ける思いを口にした。
一方の松本選手は、「チャンピオンになるぞと(お客さんに)アピールしてきました。たくさんお客さんがいて気分が上がりました」と、初の世界戦へ向け気持ちを高めた。
8月2日に東京・後楽園ホールの興行で、リング禍により逝去した神足茂利氏は日大時代の先輩にあたり、世界戦は神足氏のロゴをTシャツやトランクスなど試合コスチュームに装着し、リングに上がる。「力を貸してという意味ではないですけど、明日もリングで一緒に戦おうと思って」(松本選手)。
トリプル世界戦。いずれも好試合を期待。大いに楽しみです。