2月24日、東京・有明アリーナ。『PRIME BOXING 11』。119ポンド契約10回戦。WBOアジアパシフィック・バンタム級王者・WBA世界同級2位、WBC、WBO3位、IBF13位那須川天心(帝拳)=5戦全勝(2KO)=vs元WBO世界同級王者・WBC、IBF世界同級5位、WBO6位ジェイソン・モロニー(オーストラリア)=27勝(19KO)3敗=。

モロニーは昨年5月6日に東京ドームで、武居由樹(大橋)=10戦全勝(8KO)=選手に12回判定で敗れ、WBO世界バンタム級王座を失って以来の再起戦。武居選手との試合では最終ラウンドに猛攻。あと一歩でKOまで追い込んでいる。

世界挑戦へのテストマッチ。これまでで一番の強敵を相手に、那須川選手も気合が入る。

初回、サウスポーの那須川選手は速いジャブでスタート。左ボディから上へのフックを狙うが、モロニーは右ストレートをクリーンヒット。

プレスを掛けるモロニーは前進し右ストレートを放つが、那須川選手は回り込んでジャブ、右フックを放ち、左ストレートをヒット。

那須川選手は、押し込んで来るモロニーに左ボディアッパーを合わせ、回り込んで右フックをヒット。

第6ラウンド、開始間もなくモロニーの右ストレートで那須川選手はバランスを崩し大きく後退。何とか踏みとどまりダウンは逃れたが、モロニーはここぞとばかりに追撃。苦しいラウンドだったが、那須川選手はよく凌いだ。

那須川選手はモロニーの攻勢を足で交わし、右アッパーを突きあげ、左ストレート、右フック。左ボディも随所で決めた。前進し攻めるモロニーだが、パンチを打ち込むタイミングをうまく交わされ空回り。那須川選手がリードを広げて行った。

最終ラウンド、前に攻めて出るモロニーに対し、那須川選手はラウンド半ばから正面からの打ち合いを挑み、右フック、左ボディアッパーで対抗し、試合終了ゴング。

勝者は那須川選手。モロニーは観念した様子。

公式スコアは、メキン・スモン(タイ)98-92、エドワード・リガス(フィリピン)97-93、染谷道明97-93でいずれも那須川選手を支持。

那須川選手は試合後のリング上で、対戦が噂されるWBO世界バンタム級チャンピオン武居由樹(大橋)=10戦全勝(8KO)=選手の祝福を受け、がっちり握手。帝拳ジムの本田明彦会長は、6月にバンタム級か119ポンド契約の10回戦で世界前哨戦を行い、順調なら11月に世界タイトル挑戦を計画している事を明らかにし、那須川選手も「今年中に世界のベルトをしっかりと取りたい」と、頂点を見据えた。

キャリア豊富なモロニーを、機動力を活かしたボクシングで撃破した那須川選手の今後に注目。