WBO世界バンタム級タイトルマッチ。チャンピオン武居由樹(大橋)=9戦全勝(8KO)=vs挑戦者・元WBC世界フライ級王者、同級1位比嘉大吾(志成)=21勝(19KO)2敗1分=。9月3日、東京・有明アリーナ。大橋プロモーション興行。
比嘉選手は体重超過でWBC世界フライ級王座を失って以来、約6年5ヶ月振りの世界戦リング。
武居選手は初防衛戦。気合が入っていた。
試合開始。
低い姿勢から左で迫る比嘉選手を武居選手は、右アッパーで迎え撃った。
序盤戦、武居選手の左右アッパーに比嘉選手は出鼻を叩かれた。
比嘉選手は左ジャブ、フックで武居選手に迫る。
中盤も激しい攻防戦が繰り広げられた。
終盤戦に入ると比嘉選手の左で、武居選手の右目下が腫れて来た。
11回、武居選手が足を滑らせバランスを崩した所に比嘉選手の左フックがヒット。中村勝彦主審は8カウントを数えた。
11回のダウン裁定後、反撃に転じた武居選手は、最終ラウンドを迎えると、意を決したように比嘉選手を猛攻。
比嘉選手は反撃できず守勢のまま最終ラウンド終了ゴングを聞き、激闘12ラウンド終了。中村主審は武居選手の手を挙げた。
公式スコアはエドワード・リガス(フィリピン)115-112、ダンレックス・タプダサン(フィリピン)114-113、村瀬正一114-113で武居選手。
「ダウンを取られて火が付いた」武居選手は最終ラウンドの攻勢で勝利を決めた。一方の比嘉陣営の野木丈司トレーナーも、 「自分に勝て!ぶっ倒しにいけ!。人生を変えて来い!」と檄を飛ばし、比嘉選手を送り出したが、比嘉選手は動けないまま終わり無念の敗戦。しかし、「やり切った」と試合後、引退を示唆。
王者となり成長と、心の強さを見せた武居選手は、リング上で「天心君。10月の試合、頑張ってください」と、那須川天心(帝拳)=4戦全勝21KO)=選手の名前を挙げ、「ボクシングに転向する前からずっとやりたかった相手なので軽く名前を出させてもらった」。
那須川選手が10月14日に東京・有明アリーナで行われる、ジェルウィン・アシロ(フィリピン)=9戦全勝(4KO)=との空位のWBOアジア・パシフィック同級王座決定戦で勝てば、武居vs天心の世界戦実現の可能性は大きく拡がる。