10月18日(日本時間19日)、ドイツ・ハンブルク、ヴァンズベック体育館。フィデス・スポーツ・プロモーション興行。WBA、WBO女子世界ミニマム級王座統一10回戦。WBA王者黒木優子(真正)=25勝(10KO)8敗2分=vsWBO王者サラ・ボルマン(ドイツ)=20勝(7KO)1敗=。

ボルマンはWBO王座2度目の防衛戦。

元WBA、WBO女子世界アトム級王者の黒木選手は2階級目の王座統一を狙う。

サウスポーの黒木選手は左ストレートを軸に、右リードパンチでボルマンの動きをけん制する如上のスタートを切った。

前に出るボルマンは頭から突っ込む攪乱戦法。ホールディングも多く、黒木選手はやりずらい。


ラフファイトにやりにくそうな黒木選手だったが、うまく左ストレートを当て、ヒット数で上回る。





黒木選手のジャブをかいくぐり、ボルマンは右を放つ。しかし、正確性は今一つ。

第9ラウンド、頭から突っ込むボルマンは額から出血。


最後まで攻勢に出たボルマンだが正確なヒットは少なく、黒木選手のジャブ、左ストレートが上回った印象で試合終了ゴング。


勝利を確信した山下会長は黒木選手を抱え上げた。

しかし、勝者はボルマン。まさかの敗戦に唖然とする黒木選手。

公式スコアはマイケル・フック(スウェーデン)が97-93で黒木選手としたものの、エイドリアン・ラシェスク(ドイツ)は97-93でボルマン。残るホセ・イグナシオ・マルティネス(スペイン)は96-95ボルマンのスプリット。

前には出たがバッティング、ホールドが多く、有効なヒッティングに欠けた勝者ボルマン。初防衛戦でもドイツ人ジャッジは99-92の大差でボルマンを支持したが、スペイン人ジャッジは94-96とスコアリングしている。およそヨーロッパ・スタイルとはかけ離れた戦いぶりなのだが、唯一の黒星を喫した2023年12月のジェシカ・ネリ・プラタ(メキシコ)=30勝(3KO)2敗=戦でも、ドイツ人ジャッジは95-94でボルマンを支持。そのスタイルは、見方によってはポイントを引き寄せるという形になっているが、それはあまりに強引と思える。だが、ボルマンの王座は、ドイツで戦っている限り安泰だろう。