2月1日(日本時間2日)に米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催された、WBA世界フェザー級挑戦決定10回戦で、アルゼンチン期待の新星、同級3位にランクされるミルコ・クエロ(アルゼンチン)=15戦全勝(12KO)=が、同級5位クリスチャン・オリボ(メキシコ)=22勝(8KO)2敗1分=を10回TKOで破り、井上尚弥(大橋)=28戦全勝(25KO)=選手がターゲットとする、王者ニック・ボール(英)=21勝(12KO)無敗1分=への挑戦権を獲得。
第2ラウンド、オリボの右ストレートでクエロは、キャンバスへ右ひざを落とす不覚のダウンを喫した。
クエロは中盤以降、キャリア初のダウンの失点を挽回するためにオリボに迫った。
クエロが追い上げたようにも見られた試合は、9回が終わった時点で、3人のジャッジのスコアは88-82、87-83、86-84で、オリボがリードしていた。
そして迎えた最終ラウンド。左ボディでオリボの動きを止めたクエロは、続けて強烈な左ボディを一刺し、オリボはたまらずキャンバスへ膝を落とした。
オリボは何とか立ち上がり試合は再開。しかし、クエロが最初の一撃で再び鮮やかな左ボディを打ち込むと、オリボはまたもやキャンバスへ落下。
ここも立ったオリボだが、クリス・フローレス(米)主審は試合をストップ。TKOタイム10回2分1秒。
土壇場での勝負強さを発揮してボールへの挑戦権を獲得した24歳のクエロは、2018年ユース五輪バンタム級で銅メダルを獲得し、東京五輪にも出場。デビッド・べナビデス(米)、セバスチャン・フンドラ(米)らを傘下に置く、サンプソン・リューコーイッツのサンプソン・ボクシングとプロモート契約を締結している。
王者ボールは、3月15日(日本時間3月16日)に英・リバプールのM&Sバンク・アリーナで、元IBF世界スーパーバンタム級王者で同級7位にランクされるTJ・ドヘニー(アイルランド)=26勝(20KO)5敗=の挑戦を受ける事が決まっている。
そして、4団体統一世界スーパーバンタム級王者井上尚弥(大橋)=29戦全勝(26KO)=選手が、12月にサウジアラビア・リヤドで開催される、”リヤド・シーズン”のデビュー・カードで、階級を上げボールに挑戦するプランがあり、実現の可能性は高い。
井上選手はボールの持つ王座に挑戦し、日本男子選手初の世界5階級制覇を達成すると、再びスーパーバンタム級へ階級を戻し、来年春に東京ドームで、WBC世界バンタム級王者中谷潤人(M・T)=29戦全勝(22KO)=選手との、世紀の日本人対決を実現させるプランを明らかにしており、井上選手がボールに勝った場合は、フェザー級王座は返上する考え。
今後、クエロはボールvs井上の実現の行方を見ながら、WBA1位の座で待機すると思われるが、WBC世界フェザー級王座を獲得したPBCファイターのスティーブン・フルトン(米)=23勝(8KO)1敗=と対戦する可能性もある。クエロの今後の動向に注目。