3月7日(日本時間8日)、ロシア・モスクワのダイナモ・バレーボール・アリーナで開催された、「IBAナイト・オブ・チャンピオンズ」興行のメインイベントで行われた、WBAスーパーフェザー級暫定王座戦。王者アルベルト・バティルガジエフ(ロシア)=11戦全勝(8KO)=に、同級15位ネリ・ロメロ(アルゼンチン)=18戦全勝(10KO)=が挑んだ一戦は、バティルガジエフが判定勝ち。
東京五輪フェザー級金メダリストのサウスポー、バティルガジエフは、昨年7月12日(日本時間13日)にロシア・セルプホフのIBAコロシアムで行われた暫定王座決定戦で、同級2位にランクされていたジョノ・キャロル(アイルランド)=24勝(7KO)3敗1分=を、9回TKOで破り獲得した王座の初防衛戦。
試合は第3ラウンド、ロメロの右ストレートでバティルガジエフがダウン。これは突進するロメロの右ストレートを受け、一瞬しりもちを付いたフラッシュダウンだったが、再開後、ロメロの右ストレートがタイミングよく決り、再び腰砕けとなり大きく後退したが、ここは何とかこらえ、踏みとどまった。
第4ラウンド、反撃のバティルガジエフが左ストレートから右フックを決めた後、引き倒すような形でダウンを奪うが、倒れたロメロにさらに左を追撃。ロメロが立ち上がると、ギレルモ・ピネダ(パナマ)主審はバティルガジエフに減点1を通告。
再開後、バティルガジエフは連打でロメロに迫ったが、両手で首を抑え込むように押し付けると、ロメロは再びキャンバスへ落下。しかし、これはスリップの裁定(というより反則)。ここは減点を取られず再開となったが、バティルガジエフの右フックが決まり、ロメロは再びダウン。

5回以降、バティルガジエフの技巧がロメロのアタックを抑え、12回を終了。ジャッジ三者のスコアは、116-108、115-109、113-110でいずれもバティルガジエフ。暫定王座の初防衛に成功したバティルガジエフだが、打たれた場合の耐久力等、今後に対する不安も露呈したV1戦となった。
バティルガジエフは同級王者ラモント・ローチ(米)=25勝(10KO)1敗2分=との対戦を義務付けられているが、3月1日(日本時間2日)に米・ニューヨーク、ブルックリンのバークレイズ・センターで行われたWBA世界ライト級戦で、王者ジェルボンテ・デービス(米)=30勝(28KO)無敗1分=に階級を上げ挑んだローチは、大善戦の引き分けを演じ、ダイレクトで再戦の可能性が高くなっており、次戦も暫定王座の防衛戦となりそう。