元4団体統一世界ライトヘビー級王者でWBA、WBC、WBO世界同級1位、IBF3位にランクされるアルツール・ベテルビエフ(ロシア→カナダ)=21(20KO)1敗=は、WBO、IBF世界ライトヘビー級&WBAスーパー同級王者ドミトリー・ビボル(ロシア)=24勝(12KO)1敗=との第3戦スケジュールが明確にならない事に対し不満を爆発させた。
「ビボルはインタビューで晩秋に行いたいと言っていたが、その後、年末になり、そして今はいつになるのかまったくわからない。何歳まで待てば3度目の対戦が出来るのか!」

両者は昨年10月12日(日本時間13日)にサウジアラビア・リヤドで対戦。3団体統一王者だったべテルビエフが12回2-0判定勝ちを収め、ビボルが保持していたWBAスーパー王座を吸収。4団体統一王者となった。
試合後、すぐに再戦がセットされ、2月22日(日本時間23日)にサウジアラビア・リヤドで行われた第2戦では、ビボルが12回2-0判定勝ちで雪辱に成功。パワーvsテクニックが、最後まで渡り合った好ファイトだった。
そして、”リヤド・シーズン”を主導するサウジアラビアのトゥルキ・アラルシク大臣は、両者の第3戦を開催する事を表明し、両陣営も対戦に同意。WBCはビボルに対し、暫定王者のデビッド・べナビデス(米)=30戦全勝(24KO)=との対戦を指令したが、アラルシク大臣は「全く興味がない」と言い、WBCに対する不快感をあらわにした。
ビボルはWBC王座を放棄し、べテルビエフとの第3戦を選択。11月にサウジアラビアでの開催が計画されていたが、両陣営からの希望があったという事で、アラルシク大臣はビボルvsべテルビエフ3のロシア開催を容認。
ロシアで第3戦をプロモートする計画を立ち上げたのは、アラルシク大臣との関係も良好なIBA(国際ボクシング協会)のウマル・クレムレフ会長で、モスクワのルジニキ・スタジアム(最大10万3千人収容)での開催案は、第2戦終了直後から出されていた。

しかし、具体的な日時がいつになるかは全く不明で、来年1月には41歳となるべテルビエフには、ビボル陣営が時間稼ぎをしているように映っている。そして、ビボル陣営も第3戦が来年に持ち越される可能性がある事を否定していない。
ビボルは高額報酬が得られるべテルビエフとの第3戦にもちろん興味はあるが、階級を落として4団体統一世界スーパーミドル級王者サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)=63勝(39KO)2敗2分=との再戦にも目を向けている。
9月13日(日本時間14日)に米・ラスベガスで、WBA世界スーパーウェルター級王者テレンス・クロフォード(米)=41戦全勝(31KO)=との対戦が決まっているカネロも、ビボルと再戦したい気持ちが残っている事を表明しており、順番がどうあれ、カネロがサウジアラビアと交わした契約の中で行われる可能性はあるだろう。