前IBF世界フェザー級王者ルイス・アルベルト・”ベナド”・ロペス(メキシコ)=31勝(18KO)3敗=は、トップランクから提示されたWBO世界同級王者ラファエル・エスピノサ(メキシコ)=27戦全勝(23KO)=との対戦オファーを受諾した事を明らかにした。

「正式なオファーをいただき、迷わず承諾した。あとは君だけだ、チャンピオン。メキシコに素晴らしい戦いを届けよう」(ロペス)

トップランクと共同プロモート契約を結ぶエスピノサは、過去3度の防衛戦を米国開催のトップランク興行で行って来たが、ESPNとの放送契約を満了したトップランクは、現在、新たなプラットホームを持っておらず、V4戦は11月にメキシコ・ハリスコ州で、世界王座獲得以前からプロモート契約を結ぶ、フェルナンド・ベルトランのサンフェル・プロモーション興行で行われる事が発表されていた。エスピノサは世界王座獲得後、初のメキシコ凱旋試合となる

Rafael Espinoza & Alberto Venado López

ロペスは2022年12月に英・リーズでジョシュ・ワーリントン(英)=32勝(8KO)4敗1分=を12回判定で破り、IBF世界フェザー級王座を獲得。3度の防衛に成功したがが、昨年8月10日(日本時間11日)に米・ニューメキシコ州アルバカーキのティンレー・コロシアムで、アンジェロ・レオ(米)=26勝(12KO)1敗=に痛烈な10回KO負けを喫し王座から陥落。

互角の展開で迎えた第10ラウンド、不用意にジャブを伸ばしたロペスの引き際にレオの左フックが決まると、ロペスは仰向けにダウン。後頭部をキャンバスへしたたかに打ち付けたロペスは、試合後のMRI検査で軽微の脳内出血が認められた。

ロペスは再起を強く希望し時間を置かずにジムワークに戻ったが、マネジャー、ヘクター・フェルナンデスは、今後も経過の観察を続け、来年2月にMRI検査を受けない限り試合を組まない事を明言したが、その後、複数回にわたり行われたMRI検査でロペスに異常は認められなかった。

3月29日(日本時間30日)に地元のメキシコ・メヒカリのリングに上がったロペスは、エドゥアルド・モントーヤ(メキシコ)=21勝(14KO)8敗1分=を問題とせず、初回、得意の左フックで2度のダウンを奪いKO。再起に成功している。

レオ戦でのダメージは何の影響も残っていないというロペスは、「ミスから学び、さらに強くなって戻る。王座奪還のためならどんな代償も厭わない。これまで敗戦を喫するたびに、俺は強くなってきた。だから、覚悟しておけ。今年は俺の年になる」と豪語。世界王座返り咲きへ並々ならぬ決意を表明し、エスピノサとの対戦を希望していた。

身長163センチのロペスは独特の間合いから、強烈な左フック、右アッパーを叩きつける変則ファイターで、185センチの長身、リーチ188センチのエスピノサのスタイルとは好対照。エスピノサは王座を獲得したロベイシ・ラミレス(キューバ)=14勝(9KO)3敗=との初戦では、5回にダウンを喫する等、強い一発パンチを振るうラミレスに序盤から中盤までは大苦戦。似たような感じのロペスには可能性も感じるが、その後のエスピノサの充実ぶりは目を見張るものがある。決定が待たれます。