7月30日に横浜BUNTAIで、寺地拳四朗(BMB)=25勝(16KO)2敗=選手を12回判定で破り、WBA、WBC世界フライ級王座を獲得したリカルド・サンドバル(米)=27勝(18KO)2敗=が、9月20日(日本時間21日)に米・カリフォルニア州インディオのファンタジー・スプリングス・リゾート・カジノで開催された、ゴールデン・ボーイ・プロモーション興行のメインイベント開始前のリング上で、オスカー・デラホーヤからチャンピオンベルトを贈呈された。
メインイベントで行われた、WBO世界ミニマム級&WBAスーパー王者オスカー・コラーゾ(プエルトリコ)=13戦全勝(10KO)=に、WBO世界同級7位、WBA10位のジェイソン・バイソン(フィリピン)=14勝(8KO)2敗1分1NC=が挑んだタイトル戦は、コラーゾが7回1分41秒KO勝ちを収めたが、試合後、コラーゾは階級を上げサンドバルへの挑戦を希望。
「112ポンドに上げてリカルド・サンドバルと戦いたいと思う。プエルトリコ対メキシコ、いい対戦じゃないか。ぜひやりたい」(コラーゾ)
コラーゾはプロデビューから3試合をフライ級リミットに近いウェイトで戦っているが、4戦目以降はミニマム級のみ。身長は157センチで、168センチのサンドバルとは11センチの差があり、リーチは15センチも違う。ミニマム級で高いKO率を誇るコラーゾだが、パワーで圧倒するタイプではなく、バイソン戦もポイント差以上に拮抗していた内容だったと指摘する向きは多い。

サンドバルは寺地選手との再戦も噂され、再戦は「寺地選手次第」という考えを示していた。しかし、寺地選手は12月27日(日本時間28日)にサウジアラビア・リヤドのモハメド・アブド・アリーナで、IBF世界スーパーフライ級王者ウィリバルド・ガルシア(メキシコ)=23勝(13KO)5敗2分1NC=への挑戦が決定。
WBCはサンドバルに対し、暫定王者ガラル・ヤファイ(英)=9勝(7KO)無敗1NC=との王座統一戦を指令しているが、ヤファイは6月21日(日本時間22日)に英・バーミンガムのbpパルス・ライブ・アリーナで行われた、フランシスコ・”チワワ”・ロドリゲスJr(メキシコ)=39勝(27KO)6敗1分2NC=戦で、最終ラウンドにダウンを奪われ判定負け。
ヤファイはロドリゲスJrの疲れ知らずの驚異的スタミナで押しまくられ、試合後は病院に直行。入院し回復まで2週間を擁するほどのダメージを被った。しかし、その後、ロドリゲスJrのドーピング検査陽性が判明。WBCは試合結果をノーコンテストに変更し、ヤファイを暫定王者に据え置いているが、ロドリゲスJr戦で大きなダメージを負っただけに、ヤファイのリング復帰までには相当の時間を要すると思われ、いきなりサンドバルと対戦するとは考えにくい。

また、WBO世界同級王者アンソニー・オラスクアガ(米)=10勝(7KO)1敗=もサンドバルとの王座統一戦を希望している。オラスクアガは9月11日(日本時間12日)に米・ラスベガスのフォンテインブルーで、同級1位の指名挑戦者フアン・カルロス・カマチョJr(プエルトリコ)=19勝(8KO)2敗1NC=をまるで問題とせず、2回KOで3度目の防衛に成功。
「ケンシロウが負けたことで、他の王座を狙うために必要な扉が開かれたんだ。同じカルフォルニア州出身同士。歴史的な戦いになる」(オラスクアガ)
キャリア唯一の黒星を喫している寺地選手を破ったサンドバルに対するオラスクアガの対抗意識は高く、王座統一戦の実現を待ち望んでいる。
ゴールデン・ボーイ傘下同士のサンドバルvsコラーゾは、その気になればすぐに実現可能だろう。オラスクアガ戦も十分実現可能な範疇にある。デラホーヤがサンドバルをどういう方向に導くのか。今後に注目。