9月27日(日本時間28日)、米・フロリダ州キシミーのオセオラ・ヘリテージ・パークで開催された、PROBOX TV興行に元世界2階級制覇王者ファン・マヌエル・ロペス(プエルトリコ)2世、19歳のファンミタ・ロペス・デ・ヘスス(プエルトリコ)=3戦全勝(2KO)=が出場。メインイベント終了直後に行われたスーパーフライ級6回戦で、ルイス・モラレス(米)=4勝(2KO)1敗=と対戦した。

初回、身長で上回るサウスポーのファンミタは、慎重にジャブを突き左ストレートを上下に送る。モラレスはすかさず左右フックを振り回し応戦。2回、モラレスはスイッチを織り交ぜながら足を使い動きながら、機を見て左右フックを振り回すが、ファンミタは左ストレートがヒット。しかし、ファンミタは偶然のバッティングで右目上をカットし出血。

3回、ファンミタの右フックでモラレスは両手をバッタリとキャンバスへ付くダウン。4回、ファンミタは動くモラレスに左ストレート、ボディアッパーをヒット。5回、低い姿勢からトリッキーな動きで迫るモラレスに対し、ファンマは連打から左ボディを決めダウンを奪う。最終ラウンド、動くモラレスが時折放つ大ぶりパンチを見切ったファンミタは、冷静に左アッパー、右フックを合わせ試合終了ゴング。ファンミタが文句なしの判定で勝利し、4連勝を飾った。

リングサイドでファンミタの戦いぶりを見守った、父である42歳の元WBO世界スーパーバンタム級&フェザー級王者ファンマ=36勝(32KO)6敗1分=は、11月22日(日本時間23日)にプエルトリコ・バヤモンのルベン・ロドリゲス・コロシアムで、約6年半ぶりのリング復帰が決定。32歳の”ギャロ・ザ・プロデューサー”として知られる、インフルエンサー、ジョナサン・ロサリオ・オルティス(プエルトリコ)とグローブを交える(条件は不明)事が決定。

Juan Manuel Lopez vs. Gallo The Producer

ファンミタはこの夏にファンマとの親子関係を和解。ファンマとロードワークを共にし、自らの試合に向け調整に励んで来た。「やる気が出るんだ今は彼をサポートしているよ。彼がフィジカル面で調子を上げて、11月22日に自分の能力を発揮できるように、もっとモチベーションを上げたいんだ。周りの口をふさぐために、彼は準備万端になるんだ」と、父親のリング復帰に力を注いでいる。

ファンマは2009年10月にWBO世界スーパーバンタム級王座を5度防衛後、不敗のまま王座を返上しフェザー級に転向。2010年1月にはWBO世界フェザー級王者スティーブン・ルエバノ(米)を7回TKOで破り2階級制覇に成功。しかし、3度目の防衛戦でオルランド・サリド(メキシコ)に8回TKO負けを喫し王座陥落。

2012年3月の再戦では5回にダウンを奪うも、サリドの猛反撃を受け10回にダウンを奪われTKO負けで王座奪還はならず。2013年6月にはマイキー・ガルシア(米)に移動していた王座へ挑戦のチャンスを掴むが、ガルシアはオーバーウェイトで王座剥奪。ファンマが勝利した場合のみ新王者として試合は行われたが、ファンマは4回失神TKO負け。

Juan Manuel Lopez

翌年、ファンマはスーパーフェザー級に転向。ダニエル・ポンセ・デ・レオン(メキシコ)戦では初回にダウンを奪われるが、2回に倒し返し逆転TKO勝ち。しかし、フランシスコ・バルガス(メキシコ)には、いいように撃ち込まれ3回終了棄権負け。ヘスス・クエジャル(アルゼンチン)戦では、2回に連打を喰らい頭からキャンバスへ沈み、またもや失神KO負け。

引退を表明したが2016年10月、これを撤回しウィルフレッド・バスケスJr(プエルトリコ)と対戦。11回TKO勝ちでリング復帰を果たすが、その後は試合間隔が開き、2018年は1勝1KO敗。2019年5月に3連敗中のエミリアーノ・マーティン・ガルシア(アルゼンチン)=19勝(13KO)11敗1分=と8回を引き分けたのが最終試合だった。

数々の激しいKO戦を繰り広げて来たファンマ。破格の破壊力を持つパンチ力を活かし、ツボにはまった時の強さは深く印象に残るが、打たれた場合の脆さも半端なく、衝撃的な失神シーンも記憶に残る。ファンミタの言うように、11月22日に彼の能力が発揮できる事を願うばかりです。しかし、驚いた。