8月26日(日本時間27日)、ポーランド・ブロツワフ、タルチンスキ・アリーナ。WBO、IBF世界ヘビー級&WBA王座統一戦。WBO、IBF&WBAスーパー王者オレクサンデル・ウシク(ウクライナ)=20戦全勝(13KO)=vsWBAレギュラー王者ダニエル・デュボア(英)=19勝(18KO)1敗=。前日計量ではウシクの221ポンドに対し、デユポアは233¼ポンドを計測。昨年12月のケビン・レリーナ(南アフリカ)戦の240¼ポンドから、2017年4月のプロデビュー戦の231¼ポンドに迫る所まで絞って来た。
サウスポーのウシクは持ち前のスピードを活かし、素早い出入りで右ジャブから左ストレートを打ち込むが、体を絞って来たデュボアも好調で、手数こそ少ないが右ストレート、アッパーはスピードがありタイミング良かった。第4ラウンド、打ち気に出たデュボアは、続く5回、ウシクのボディに右アッパーを放ったが、ローブローとなり試合は中断。試合後、下から巻き上げるように放たれたこのパンチを巡って、大きな論争を巻き起こる事になる。
倒れ込んだウシクに対し、ルイス・パボン(プエルトリコ)主審は4分間の休憩を与え試合続行。デュボアは手ごたえを感じたようで、再開後もウシクのボディを狙い続けた。しかし、ウシクは持ち前のスピードと機動力を活かしたボクシングで、徐々にデュボアを突き放して行く。第8ラウンド終盤には、左ストレート、右フック、左アッパーの連打でデュボアはダウン。カウント9で立ち上がり終了ゴングとなったが、続く第9ラウンド、デュボアの一瞬の隙を突きウシクの右ストレートが決まると、デュボアは再びダウン。立ち上がったものの、ルイス・パボン(プエルトリコ)主審はテンカウントを数えた。
KOタイム9回1分48秒。8回までのスコアはパヴェル・カルディーニ(ポーランド)79-72、レシェク・ヤンコヴィアク(ポーランド)79-72、スタンリー・クリストドゥルー(南ア)78-73でいずれもウシクがリード。試合後、デュボアは第5ラウンドの右アッパーには手ごたえを感じた事を明らかにし、ノックダウンに取られなかった事で混乱し、意気消沈した事を告白。
デュボアをプロモートするフランク・ウォーレンは、「レフェリーが “ベルトの下 “と言ったノックダウンだが、実際にパンチはトランクスのウエストに当たっている。ルールミーティングで説明された基準では、ウエストはお尻との中間点。だからもっと低い。あれは正当な一撃であり、(試合は)止められるべきだった。彼には3分46秒のリカバリータイムが与えられたが、それは間違っていた。レフェリーの判断は間違っていたし、ローブローだったのなら、なぜ減点されなかったのか、いまだに理解できない」と一気にまくしたて、WBAに対し試合をノーコンテストとするよう働きかける考えを明らかにしている。
3団体統一王者ウシクは、WBC王者タイソン・フューリー(英)=33勝(24KO)無敗1分=との4団体王座統一戦を実現させたい考えだが、IBFは1位のフィリップ・フルゴビッチ(クロアチア)=16戦全勝(13KO)=との指名戦を指令する可能性が高い。ウシク陣営はフューリー戦が実現しなければ、次はフルコビッチと戦う意向。