5月6日、東京ドームで開催された、WBA世界フライ級タイトルマッチ。王者ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)=19勝(11KO)2敗1分=選手に、同級3位桑原 拓 (大橋)=13勝(8KO)1敗=選手が挑んだ一戦は、阿久井選手が判定勝ち。スコアは118-110、117-111、117-111。
両選手、2年10ヶ月振りの再戦となった試合は、阿久井選手が世界王座初防衛戦。リベンジ戦となる桑原選手は世界初挑戦。初回、桑原選手は足を使い動きながら速いコンビネーションで積極的にアタック。阿久井選手はこれを追い、右ストレート、左フック。2回、阿久井選手のジャブが当たり、右ストレートがタイミングよく桑原選手を捕らえる。
3回、阿久井選手はガードを高く上げプレスを掛け、ジャブから右ストレート、左フックを上下に打ち分ける。桑原選手はトリッキーな動きを交え迎え撃つが、阿久井選手が主導権を握った。4回、阿久井選手は桑原選手を追い、右ストレートを打ち込む。桑原選手もカウンターで迎え撃つが、動かされている印象。
5回、阿久井選手がジャブを軸に前進。先手で攻め、右ストレート、左フック。桑原選手は動いてカウンター。6回、阿久井選手のプレスは強い。距離が縮まったこのラウンド、両者、左ボディを叩き合い、連打を交換。7回、前に出る阿久井選手はジャブから右ストレート。ジャブがない桑原選手のパンチはアウトサイドからとなり、阿久井選手の右を被弾するシーンが増えた。
8回、阿久井選手が圧力を増し、桑原選手を追い、強い右ストレート、左ボディ。桑原選手は苦しくなって来た。9回、阿久井選手の追いは鋭い。桑原選手はガードを固める時間が長くなったが、必死の応戦で意地を示す。10回、余裕を感じる阿久井選手はジャブで桑原選手を追い、右ストレート。
11回、開始と共に出た阿久井選手に対し、桑原選手は連打で応戦。ラウンド終盤も両者、激しく打ち合った。最終ラウンド、桑原選手が攻勢に出る。しかし、阿久井選手の左ボディで動きが止まる。KO決着を狙う阿久井選手は打って出るが、桑原選手はここでも踏ん張りを見せ、連打で反撃。世界王座への執念を見せたが及ばなかった。