3月8日(日本時間9日)、サウジアラビア・リヤドのキングダム・アリーナで開催された、ヘビー級ノンタイトル10回戦。前3団体統一世界ヘビー級王者アンソニー・ジョシュア(英)=27勝(24KO)3敗=と、元UFC王者でWBC世界ヘビー級10位にランクされるフランシス・ガヌー(カメルーン)=1敗=の一戦は、ジョシュアが2回KO勝ち。

初回、ゆったりと構えたョシュアはジャブから右ストレートを狙う。対するガヌーは、タイソン・フューリー(英)からダウンを奪った左フックを強振。しかし、ラウンド終盤ジョシュアの右ストレートでガヌーはカウント9のダウン。続く2回、ジョシュアのジャブからの右ストレートを喰ったガヌーはまたもやダウン。再開後、ジョシュアはいきなりの右ストレート一閃。もんどりうって倒れたガヌーは、キャンバスへ長々と寝そべった。

ジョシュアがボクシングの世界チャンピオンの意地とプライドを見せた圧勝となったが、リングサイドのフューリーは何となく複雑で寂しげな、きまり悪そうな表情を見せた。ジョシュアのファイトマネーは5000万ドル(約73億5350万円)、ガヌーは2000万ドル(約29億4140万万円)と伝えられている。

WBO世界ヘビー級暫定王座戦。王者チャン・ツィーレイ(中国)=26勝(21KO)1敗1分=に、同級3位ジョセフ・パーカー(ニュージーランド)=34勝(24KO)3敗=が挑んだ一戦は、パーカーが判定勝ち。スコアは115-111、114-112、113-113の2-0。

身長198センチの長身サウスポー、チャンはどっしり構えプレスを掛け、左ストレート、右フックを打ち込む機会を狙う。対するパーカーは低い姿勢から右ストレート、左フックを飛ばす。3回、チャンの左ストレートでパーカーはダウン。4回は、左ストレートを当てたチャンだが、パーカーも右ストレートから左フックをヒットし反撃。

中盤、動くパーカーに的を絞りかねたチャンだが、8回、左ストレートから右フックを決め、この試合2度目のダウンを奪った。9回以降、パーカーはシャープな右ストレートを中心に逆転を狙い、チャンも連打は許さず右フックをカウンターで返す。しかし、手数ではパーカーが上回りチャンは合わせるだけの印象。迎えた最終ラウンド、パーカーは深い追い込みを見せず、チャンも流す感じで試合終了。

2度のダウンを奪い勝利を確信していたチャンだが、受け身に回った終盤戦が悔やまれる結果となった。

WBC世界フェザー級タイトルマッチ。王者レイ・バルガス(メキシコ)=36勝(22KO)1敗=に、同級1位ニック・ボール(英)=19戦全勝(11KO)=が挑んだ一戦は、12回引き分け。スコアは114‐112バルガス、116‐110ボール、113-113。

試合は172センチの長身バルガスが、身長157センチのノンストップ・ファイター、ボールのアタックをうまく交わし前半をリード。しかし、7回以降ボールは猛烈な追い上げを見せ、8回には左フックを決めダウンを奪う。11回終了間際には、ロープ際で右フックをヒットし再びダウンを奪った。ボールの逆転勝利かと思われたが、結果は三者三様の引き分け。再戦が行われる事になりそう。

WBA世界スーパーウェルター級王座決定戦。同級1位イスラエル・マドリモフ(ウズベキスタン)=9勝(6KO)=無敗1分=と、同級2位マゴメド・クルバノフ(ロシア)=25戦全勝(13KO)=の一戦は、マドリモフが5回2分20秒TKO勝ちで新王者。

初回から積極的に攻めたマドリモフはが第5ラウンド、クルバノフをロープ際に追い込み、これまで度々狙っていた右フックを打ち込み、さらに同じパンチを畳み込むと、ガード一辺倒となったクルバノフを見たスティーブ・グレイ(英)主審は試合をストップ。マドリモフが圧勝で新王者となった。