4団体統一世界スーパーバンタム級王者井上尚弥(大橋)=30戦全勝(27KO)=選手と、9月14日に日本で対戦が決まっている、WBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)=13勝(10KO)1敗=が、5月30日(日本時間31日)、メキシコ・グアダラハラで開催されたマッチルームボクシング興行のスーパーバンタム級10回戦に出場。

前日計量でリミットの122ポンドを計測アフマダリエフは、昨年12月14日(日本時間15日)にモナコ・モンテカルロで行われた暫定王座決定戦で、同級8位にランクされていたリカルド・エスピノサ(メキシコ)=30勝(25KO)5敗1NC=を、3回2分59秒TKOで破り暫定王座を獲得して以来のリング。

聴覚・言語に障がいがあるカスティーヨは、2023年2月25日に大阪で、亀田和毅(TMK)=42勝(23KO)5敗=選手に5回1分18秒TKO負けの記録を残し、この日が約1年半ぶりのリング登場。前日計量は120ポンドでパス。

自信満々の表情でコールを受けたサウスポーのアフマダリエフは、慎重にカスティーヨの動きを見る立ち上がり。手数は少ないが左ボディアッパーから右フックをヒット。2回、上体を小刻みに振りカスティーヨは左右フック。アフマダリエフは、手数少なく相手を見ている。

3回、懸命に手を出すカスティーヨだが当たらない。アフマダリエフの左ストレートでカスティーヨはバランスを崩す。4回、アフマダリエフがプレスを強め、左ボディアッパーを決め、左ストレート、右フックとヒットを奪うがまだ浅い。

5回、ラフなパンチを振っては動くカスティーヨをなかなか捕まえられないアフマダリエフだったが、終了間際、左ボディーアッパーでダウンを奪う。残り30秒、アフマダリエフは無理には出ない。

6回、フィニッシュを狙うアフマダリエフだが追いは慎重。それでもカスティーヨの一瞬の隙を付き、左フックを突き刺し再びダウンを奪う。7回、下がりながら時折左右フックと共に頭が出て来るカスティーヨに対し、アフマダリエフはプレスを掛けるものの強引には行かない。

Murodjon Akhmadaliev vs Luis Castillo

8回、アフマダリエフは左ストレート、フックを狙い撃ち。反応できないカスティーヨはグラつきながらもよく耐えたが、コーナーは棄権の意思表示。アフマダリエフのTKO勝ちとなった。

アフマダリエフは、あくまで慎重にケガをしない戦いぶりだったが、一発の威力は見せつけた。井上選手との前哨戦をクリアし、9月、いよいよ日本に乗り込んで来る。

Naoya Inoue vs Murodjon Akhmadaliev

元IBF世界ライトフライ級王者エイドリアン・クリエル(メキシコ・119ポンド)=25勝(5KO)6敗1分=と、ヨハン・ルビオ(メキシコ・115ポンド)=8勝(4KO)2敗2分=の10回戦は、クリエルが判定勝ち。

前日計量でキャリア最重量となる119ポンドを計測したクリエルは、腹回りに余裕がある。互いに左フックを強振しあった初回を終えると、クリエルはプレスを強め前進。ジャブで距離を取るルビオのボディを叩く。

4回、クリエルは右ストレート、左フックをヒット。接近戦するとで左右アッパーを突き上げ左ボディ。徐々に地力の差が出て来た。5回、ルビオはサウスポーにスイッチを見せるが効果はなく、クリエルは押し込んでボディ連打。

6回、接近戦での打ち合いはクリエルが上。ボディ連打から右アッパーを突き上げ、強い左ボディ。踏ん張るルビオも動いてジャブ、左アッパー。7回、クリエルの左アッパーがクリーンヒット。ボディ打ちもしつこく、ルビオは苦しくなって来た。

8回、プレスを強めビッグパンチを振り試合を決めにかかるクリエルだが、空振りが多い。ルビオも懸命に応戦するが、こちらも当たらない。9回、クリエルは押し込んでボディ攻撃から左右アッパー。ルビオの腰が落ちるが、あきらめる素振りはない。

最終ラウンド、クリエルは前進しボディ攻撃から左右アッパーとヒットを奪うが、ルビオも最後までよく粘り試合終了。スコアは99-91、99-91、98-92。