”リヤド・シーズン”を推進する、サウジアラビアのトゥルキ・アラルシク大臣は、DAZNとの提携により、11月22日(日本時間23日)に開催を予定する「ザ・リングIV」から、”リヤド・シーズン”と、「ザ・リング」の全イベントのPPV料金を廃止することを発表。これによりDAZN加入者は、全てのイベントを無料で視聴できる事になった。

リング・マガジンを個人的に所有するアラルシク大臣は、今年に入りDAZN株式の約10%を取得するまでに至っており、この決定は世界中のボクシングファンにとって、この上ない大きな朗報となる。

「トムとジェリーのような追いかけごっこの試合は見たくない」と宣言しているアラルシク大臣は、自らチェックした選手リストの動画から、アマチュア9冠の実績を持つ堤麗斗(志成)=2勝(1KO)=選手と契約。堤選手は米・ニューヨークで華々しくプロデビューを飾り、同地で2連勝を飾っている。

また、麗斗選手の実兄でWBA世界スーパーフェザー級3位、IBF10位の堤駿斗(志成)=7戦全勝(4KO)=選手も、麗斗選手に続きアラルシク大臣の”リヤド・シーズン”と契約。8月16日(日本時間17日)にサウジアラビア・リヤドで、カイス・アシュファク(英)=13勝(5KO)3敗1分=との対戦が決定済。

今、世界ボクシング界は大きく変わろうとしている。井上尚弥(大橋)選手らと共同プロモート契約を結ぶトップランクは、2017年から契約するESPNとの放送契約が7月末で満了。

Bruce Carrington vs. Mateus Heita

7月26日(日本時間27日)に米・ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン・シアターで開催される、WBC世界フェザー級暫定王座決定戦。同級1位ブルース・キャリントン(米)=15戦全勝(9KO)=と、同級11位マテウス・ハイタ(ナミビア)=14戦全勝(9KO)=をメインとする興行が、ESPNでのラスト放送となる。

ボクシングから撤退するかと見られていたESPNは、アル・ヘイモン率いるプレミア・ボクシング・チャンピオンズと、今後の番組提供への予備的な交渉を開始している事が明かにされているが、PBCも2015年に複数のテレビ局と契約を結んでスタートしながら、2017年までにShowtimeを除いた全てのテレビ局の放送が終了。

Showtimeも2023年12月にボクシング中継から撤退し、昨年3月からAmazon Prime Videoにより放映されていたが、Amazon Prime Videoも2025年前半以降の契約延長見送りを決定している。

トップランクは今年に入り、PBCと協力関係を構築。今後、両陣営がプロモートする選手同士のビッグマッチを開催して行く事で同意。両陣営の選手による好カードがマッチアップされているが、今後はトップランクとPBCもアラルシク大臣と手を組み、DAZNでの放映を中心に活動して行く可能性が高いと見られる。