1月31日(日本時間2月1日)、IBF世界スーパーフェザー級王者アンソニー・カカス(英)=23勝(8KO)1敗=は、正式に世界タイトルを返上した事を自ら発表。今後は、「キャリアの現段階では、ベルトに関係なく、可能な限り大きな試合だけを望む」との声明を発表している。

空位となった王座は、同級1位エドゥアルド・ヌニェス(メキシコ)=27勝(27KO)1敗=と、同級3位(2位は空位)の力石政法(大橋)=16勝(11KO)1敗=選手により争われる事になり、間もなく正式に対戦を指令される。

世界王座を返上したカカスは、リングへ復帰する事が決まっている元WBA世界フェザー級王者リー・ウッド(英)=28勝(17KO)3敗=と対戦する事が既定路線で、近日中に対戦発表が行われる。

ヌニェスをプロモートするマッチルーム・ボクシングのエディ・ハーンは、かつてプロモートしていたウッドが、フリーエージェントの立場で、カカスと対戦する事が濃圧となった段階で、「私はこの状況に非常に失望している」とコメント。ヌニェスは一度待つ形で、カカスとの対戦実現を待っていただけに、カカスがウッドと対戦する事に悔しさをにじませていた。

ヌニェスは昨年2月16日(日本時間17日)にタジキスタンのドゥシャンベで開催された挑戦者決定戦で、元IBF世界同級王者で同級3位にランクされていたシャフカッツ・ラヒモフ(タジキスタン)=17勝(14KO)2敗1分=と対戦。完全アウェーのリングで、ヌニェスは果敢にインファイトを敢行。11回TKO勝ちを収め、世界王座への挑戦権を獲得していた。

一方の力石選手は、昨年3月22日(日本時間23日)にイタリア・コッレフェッロで行われた、WBC世界同級挑戦者決定&シルバー王座戦で、シルバー王者のマイケル・マグネシ(イタリア)=23勝(13KO)3敗=に、最終12回2分34秒大逆転のTKO勝ちを収め、世界タイトルへの挑戦が待ち望まれていた。

マグネシ戦後の昨年7月2日付けでLUSH緑ジムから大橋ジムに移籍した力石選手は、昨年10月17日に東京・後楽園ホールで行われた移籍第一戦で、前フィリピン同級王者アルネル・バコナヘ(フィリピン)=17勝(12KO)9敗=を、第2ラウンド2分38秒、左ボディーアッパーでKO。

試合後、大橋ジムの大橋秀行会長は、「すごい勝ち方だった」と絶賛し、「来年、世界をやります。準備をしています」とゴーサイン。力石選手は、「そんなに簡単に世界戦ができるクラスではないけど、いつでもできるように準備します。一発で必ず取ります」と決意を語っていた。

試合は上位ランカーであるヌニェス擁するマッチルーム・ボクシング興行での海外開催が有力と思われるが、日本開催もあり得そう。エディ・ハーンは、ヌニェスvsラヒモフの挑戦者決定戦入札で、ラヒモフ擁するロシアのRCCボクシング・プロモーションが提示した30万5千ドル(約4430万円)に対し、17万9500ドル(約2610万円)で敗れている。

勝ちは全てKOのヌニェスだが、KO率ほどの怖さはない。力石選手にも十分チャンスがあると見る。正式決定が待たれます。