WBO世界ミニマム級王者オスカー・コラーゾ(プエルトリコ)=8戦全勝(6KO)=の2度目の防衛戦は、来年1月27日(日本時間28日)に、米・アリゾナ州フェニックスのフットプリント・センターで開催される、ハイメ・ムンギアvsジョン・ライダーをメインとする、DAZN放映のゴールデン・ボーイ・プロモーション興行で、同級10位レイネリス・グティエレス(ニカラグア)=10勝(2KO)1敗=を相手に行われる。

コラーゾはWBC王者重岡優大(ワタナベ)=8戦全勝(5KO)=選手、IBF王者重岡銀次朗(ワタナベ)=10勝(8KO)無敗1NC=選手との王座統一戦を希望。それが実現しなければ、ライトフライ級で2階級制覇を目指す意向を明らかにしている。

亀田興毅氏率いる、3150FIGHTによりプロモートされる重岡選手兄弟の実力は、ファン、関係者が認める所。しかし、優大選手が前戦でのファイトマネーの支払い遅延を訴える一幕(解決済)がある等、精力的に動く亀田氏の努力は実っているとは言えない。ABEMA興行出場に縛るだけでは、所属する選手のチャンスは限られてしまうという危惧が感じられる。

選手へのファイトマネー支払いは、4回戦でも世界戦でも試合翌日には支払われるもの。私のわずかな経験の4回戦でもそうであったし、世界戦翌日に会った元WBA世界ライトフライ級王者渡嘉敷勝男(協栄)選手も、「俺、今日は大金(預手)を持ってるんだ」と、言っていたものでした。

WBC世界ライト級王座6度目の防衛戦をプエルトリコで行う事になったガッツ石松(ヨネクラ)選手は、WBC史上初となった世界戦入札で、プエルトリコ側に敗れたが、ファイトマネーは税抜きの8千万円大卒の初任給94300円という時代である。

しかし、プエルトリコ陣営はファイトマネーをなかな渡そうとしない。リングに上がった米倉健司会長は、試合開始ゴングまでにファイトマネーが支払われないならば、戦わずリングを降りる覚悟を決め、リングサイドで交渉するリッチー・井上氏を見つめる。そして、ようやく井上氏からOKのサインをもらったのは試合開始直前だった。

強い王者が、同一階級での4団体王座統一を目指す現在の流れ。WBA王座統一戦の行方が見ない中、コラーゾが重岡選手兄弟との王座統一戦を望むのは理解できる。日本開催へ持ってこれるかどうかは、亀田氏の手腕の見せ所となろう。