WBO世界ライト級1位アブドゥラ・メイソン(米)=19戦全勝(17KO)=と、同級2位サム・ノークス(英)=17戦全勝(15KO)=による同級王座決定戦は、11月にサウジアラビア・リヤドで開催される、”リヤド・シーズン”で行われる事が決定。
WBO世界同級は、王座を保持していたキーショーン・デービス(米)=13勝(9KO)無敗1NC=が、6月7日(日本時間8日)に米・バージニア州ノーフォークのスコープ・アリーナで予定されていた、同級14位エドウィン・デ・ロス・サントス(ドミニカ)=16勝(14KO)2敗=戦の前日計量で、スーパーライト級リミットに迫る139.3ポンドを計測し、計量失格。王座剥奪となり空位となっていた。
デービスに代わって同日のトップランク興行のメインを務めたメイソンは、世界戦経験者のジェレミア・ナカティラ(ナミビア)=26勝(21KO)5敗=を問題とせず、4回終了時に続行不能に追い込み、5回1秒TKO勝ちを収めている。
フランク・ウォーレンのクイーンズベリー・プロモーションと契約する27歳のノークスは、2024年2月にWBOインターナショナル同級王座を獲得。昨年は4勝(2KO)をあげたが全て12回戦だった。今年は5月10日(日本時間11日)に英・ノッティンガムで、パトリック・バラズ(英)=13勝(5KO)5敗1分=に3回KO勝ち。
トップランク期待の21歳メイソンは、最近の2試合で10回戦を経験したが、これまで戦った最長ラウンドは6回まで。予想有利と見られているが、その勢いのままに、プロでの実績で上回るノークスを一気に突破する事が出来るのか注目される。
また、同日はトップランクと契約するIBF世界ライト級王者レイモンド・ムラタラ(米)=23戦全勝(17KO)=に、同級3位(1、2位は空位)アンディ・クルス(キューバ)=6戦全勝(3KO)=が挑むタイトル戦も交渉が進められ、最終局面に入っている。

ムラタラは5月10日(日本時間11日)に米・カリフォルニア州サンディエゴのペチャンガ アリーナで行われた、IBF世界ライト級暫定王座決定戦で、ザウル・アブドゥラエフ(ロシア)=20勝(12KO)2敗=に、スピードとテクニックの違いを見せつけ、12回大差の判定勝ち。
暫定王者となったムラタラは、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)の引退、王座返上により正規王者に昇格。今度が初防衛戦となる。
対するクルスは6月14日(日本時間15日)、米・ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン・シアターで行われた、IBF世界ライト級挑戦者決定戦で、三代大訓(横浜光)=17勝(6KO)2敗1分=選手と対戦。3回に2度のダウンを奪い、第5ラウンド1分13秒レフェリーストップに追い込み、三代選手の夢を打ち砕いた。

29歳のクルスは東京五輪ライト級決勝戦で、前WBO世界ライト級王者デービスを4-1の判定で破り金メダルを獲得。2023年7月のプロデビュー10回戦で、ファン・カルロス・ブルゴス(メキシコ)=36勝(22KO)8敗3分=を判定で破り、IBFインターナショナル王座を獲得。以来ここまで、ほとんど相手に打たせず、安定したボクシングで勝ち続けて来た。
ムラタラも無敗の好選手だが、クルスの技能を打ち破るのは厳しいとの見方が強く、クルスがプロ3年目で世界王座を獲得する可能性が高いと見られている。