IBF世界スーパーウェルター級王者バカラン・ムルタザリエフ(ロシア/米・カリフォルニア州在住)=22戦全勝(16KO)=に、前WBO世界同級王者で4位にランクされるティム・チュー(オーストラリア)=24勝(17KO)1敗=が挑む指名戦は、10月19日(日本時間20日)に米・フロリダ州オーランドのカリブ・ロワイヤルで開催される、プレミア・ボクシング・チャンピオンズ興行のメインで行われることが正式発表。Prime Videoで無料配信される。
チューは3月30日(日本時間31日)に米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナで、セバスチャン・フンドラ(米)=21勝(13KO)1敗1分=と対戦。第2ラウンド終了間際に額をカットし、以後、激しい出血に悩まされながら12回を戦ったが、スプリットの判定負けで王座陥落。しかし、再起戦で王座返り咲きのチャンスに恵まれた。
29歳のチューはIBF王座獲得に自信満々。2度目の世界チャンピオンになった後、WBC&WBO王者フンドラへのリベンジと、WBA世界同級王座を獲得し4階級制覇を達成。全てのウェルター級王座を手放し、今後はスーパーウェルター級で3階級目の4団体統一王者を目指す、テレンス・クロフォード(米)=41戦全勝(31KO)=との対戦に興味を示している。
PBCと契約するムルタザリエフは、ワシル・ロマチェンコ、オレクサンドル・ウシクらと同じく、エギス・クリマス(リトアニア出身、米在住)によってマネージメントされている。2019年11月2日(日本時間3日)に、米・ラスベガスで行われた挑戦者決定戦で、ホルヘ・フォルテア(スペイン)=24勝(9KO)3敗1分=に12回判定勝ちして、王座への挑戦権を獲得して以来、4年以上の時を経て、4月6日(日本時間7日)にドイツ・ベルリンのシュタットハレ・ファルカンゼで行われた王座決定戦で、ジャック・クルカイ(ドイツ)=33勝(14KO)5敗=を11回TKOで破り王座獲得。
敬虔なイスラム教徒であるムルタザリエフは、3月10日から4月8日まで行なわれたラマダン(断食月)前の3月9日までに、王座決定戦が開催される事を熱望していたが、入札によりクルカイ陣営が興行権を得ていた試合開催は4月にずれ込み、一旦は王座決定戦への出場を躊躇する事もあったが、見事にコンディションを作り、敵地での王座奪取に成功。
初防衛戦でチューの挑戦を受ける事に付いて31歳のムルタザリエフは、「チューのような名前のある強い選手と戦える事をうれしく思い、興奮している」と語り、チューを破り、世界王座統一戦線に参加する事を希望している。