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12月27日、サウジアラビア・リヤドのモハメド・アブドゥー・アリーナで、4団体統一世界スーパーバンタム級王者井上尚弥(大橋)=32戦全勝(27KO)=選手の持つ王座に挑戦。大差の判定で敗れたが12回を戦い抜いた挑戦者のアラン・デビッド・ピカソ(メキシコ)=32勝(17KO)1敗1分=は試合後、「敗北したとは感じていない。満足しているし、幸せだ」と満足げな様子で語った。

試合終了ゴングが鳴ると右手を挙げたピカソ。固いガードで井上選手の強烈なパンチに耐え抜いたのは確かだが、ディオン・ドワーテ(南アフリカ)120-108、スティーブ・ワイスフェルド(米)119-109、ジョン・リョナ・フェルナンデス(スペイン)117-111のスコアリングに付いては、「あれでピカソがなんで3ポイントも奪ったんだ。力の差は歴然だったろう」との声が多数で、モンスターのフルマークでの完勝を支持。

それでも、ともかく倒されなかったピカソは、「正直言って、これは私の人生の中で最も厳しい戦いでした。だけど、私は勝者だと感じています。素晴らしい役割を果たせたと感じ、皆がそれを見てくれたと感じています。より強くなって戻って来ます。世界チャンピオンになるという私の夢はここで終わらない。私たちは前進し続ける」と、先を見据えた。

同興行のセミファイナルでは、井上選手と来年5月に対戦する事が期待される、世界3階級制覇王者でWBA、WBC、WBO世界スーパーバンタム級1位、IBF3位(1、2位は空位)にランクされる中谷潤人(M・T)=32戦全勝(24KO)=選手が、スーパーバンタム級12回戦で、WBC世界同級9位、WBO10位、IBF12位セバスチャン・“ローガン”・エルナンデス(メキシコ)=20勝(18KO)1敗=と対戦。

Junto Nakatani vs. Sebastian Hernandez
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スーパーバンタム級初戦となった試合は、中谷選手のテクニックとパンチをもってしてもエルナンデスの突進をストップする事が出来ず、中谷選手は明確な力の違いを見せつける事が出来ず苦戦。終盤はエルナンデスの猛烈な追い込みを許し試合終了ゴングを聞いた。

マイク・ヘイル(英・ドバイ在住)115-113、ゲイリー・キタノスキ(英・ドバイ在住)115-113、ナワフ・アルモハイメド(サウジアラビア)118-110のスコアで中谷選手が勝利したが、アルモハイメドのスコアリングには世界中の多くの専門家、ファンから非難が殺到。

118-110はなく小差であれ中谷選手の勝利に間違いないと思うが、エルナンデスの驚異的な突進力と手数、タフネスぶりに驚かされたファン、関係者は多く、エルナンデスの今後に期待する声が多数あがり、敗れてもなお、その存在感を示す形となった。

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