WBC、WBO世界スーパーウェルター級王者セバスチャン・フンドラ(米)=22勝(14KO)1敗1分=は、WBO王座を返上し、前WBO世界同級王者ティム・チュー(オーストラリア)=25勝(18KO)2敗=と再戦する事が明らかになった。

WBOはフンドラに対し、同級1位ザンダー・ザヤス(プエルトリコ)=21戦全勝(13KO)=との指名戦を指令。フンドラをサポートするプレミア・ボクシング・チャンピオンズと、ザヤスをプロモートするトップランクは、今夏の対戦実現へ向け交渉を進めたが、延長された4月25日(日本時間26日)までの交渉期限内に、契約締結には至らずWBOは入札の開催を決定。

5月2日午前11時(太平洋時間・日本時間3日)にラスベガスのMGMグランドホテルで、ライブ・ストリーミングによる入札の開催が決まったが、フンドラ陣営は入札に参加しない事を決め、チューとの再戦に舵を切った。

フンドラは昨年3月30日(日本時間31日)に米・ラスベガスのT-モバイル・アリーナで、チューにスプリットの判定勝ちを収め世界王座獲得。チューは第2ラウンド終了間際に偶然のバッティングによりカットした額からの大流血に悩まされながらの戦いで、それが勝敗を分けたとの声も多数あがっていた。

ティム・チュー

世界王座を失ったチュ―は、昨年10月19日(日本時間20日)に米・フロリダ州オーランドのカリブ・ロワイヤルで、IBF世界スーパーウェルター級王者バカラン・ムルタザリエフ(ロシア/米・カリフォルニア州在住)=23戦全勝(17KO)=の持つ王座へ挑戦。

再起戦でありながら自信満々。予想も有利と見られていたチューだったが、試合は4度のダウンを奪われ3回1分55秒TKOで敗れる思わぬ惨敗。この敗戦は過去のチューの強いイメージを消し去り、世界王座返り咲きへの道は相当厳しいものだと思わされる内容だった。

ショッキングなTKO負けから約半年、チューは4月6日にオーストラリア・ニューカッスルのニューカッスル・エンターテインメント・センターで、ジョセフ・スペンサー(米)=19勝(11KO)1敗=と対戦。数字ほどの怖さはないスペンサーに対し、第4ラウンドに一気の連打で攻めかかり棄権勝ちしたが、見た限りでは戦う姿勢にまだ怖さが残っている印象を受けた。

PBCとトップランクはフンドラvsザヤスの実現に意欲的だったが、フンドラを共同プロモートするサンプソン・ボクシングのサンプソン・リューコウイッツ(パラグアイ出身・米国在住)は、チュー戦の後、口頭で交わされた再戦契約がある事を明らかにし、「私の言葉は常に署名された契約書と同じである」と、以前からチューとの再戦を優先させる考えを明らかにしていた。

フンドラvsチューの再戦は7月から8月までに米国で行われる事になる。7月19日(日本時間20日)の開催が有力と見られているが、リューコーイッツは「まだ何も決定していない」と話し、今後の動向が注目される。

ザンダー・ザヤス

空位となったWBO王座はザヤスと、同級2位ホルヘ・ガルシア・ペレス(メキシコ)=33勝(26KO)4敗=により争われる事になり、5月2日(日本時間3日)に入札が行われる。

ペレスは4月19日(日本時間20日)に米・カリフォルニア州オーシャンサイドのフロントウェーブ・アリーナで行われた最新試合で、WBO世界スーパーウェルター級2位、WBC5位、IBF14位にランクされていたチャールズ・コンウェル (米)=21勝(16KO)1敗=に判定勝ちを収め、上位進出を果たしている。