5月12日、オーストラリア・パースのRACアリーナ(1万5000人収容)で開催された、IBF世界ライト級王座決定戦。元3階級制覇王者で、IBF世界ライト級3位にランクされるワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)=17勝(11KO)3敗=と、同級2位ジョージ・カンボソスJr(豪)=21勝(10KO)2敗=の一戦は、ロマチェンコが11回2分49秒TKO勝ち。

ビッグイベントの主審はJBCの中村勝彦(日本)氏。初回、カンボソスJrはボディ狙い。サウスポーのロマチェンコは、プレスを掛けながら左ストレート。しかし、手数は少ない。2回、ロマチェンコがスピードアップ。左ストレート、右フックから連打を見せる。3回、速いパンチを飛ばすロマチェンコに対し、カンボソスJrは左右ボディを合わせる。ラウンド終盤は両者打ち合った。

4回、互いに警戒しタイミングを探り合うが、ロマチェンコが手数、ヒットで上回る。5回、ロマチェンコは動き、ジャブ、左ストレートを放ち、すぐにサイドへ。カンボソスJrは右アッパーでボディを狙うが当たらない。6回、カンボソスJrはロマチェンコの出鼻に左フック。押し返しに出る。

7回、ロマチェンコはプレスを掛け、ジャブ、左ストレートをボディに送る。カンボソスJrは、また後手に回る。8回、ロマチェンコのパンチでカンボソスJrは右瞼をカット。ロマチェンコは速いコンビネーションでリードを広げる。しかし、慎重だ。

9回、自在に動きパンチをヒット。軽快に動くロマチェンコがリズムに乗って来た。10回、カンボソスJrが出ようとすると、ロマチェンコは慎重に対応。固いディフェンスでヒットを許さず、ジャブ、左ストレートを飛ばす。11回、ロマチェンコの左ストレートが決まると、カンボソスJrはスリップダウン。

効いたと見たロマチェンコは、再開直後、右フックから左ボディアッパーを叩き込むと、カンボソスJrはキャンバスへ落下。ここは立ち上がり再開に応じたが、ロマチェンコはすぐに左ボディで襲い掛かり、2度目のダウンを奪う。すかさず中村主審が試合をストップするのと同時に、カンボソスJrコーナーからはタオルが投げ込まれていた。最後のロマチェンコの詰めは圧巻だった。勝利に涙した36歳の返り咲き王者の次戦が楽しみです。