WBO世界スーパーライト級王者テオフィモ・ロペス(米)=21勝(13KO)1敗=は、3月15日(日本時間16日)に米国内で開催のトップランク興行のメインイベントで対戦交渉が進められていた、前IBF世界同級王者スプリエル・マティアス(プエルトリコ)=21勝(21KO)2敗=との、トップランクからのラストオファーを否定し、カウンターオファーを発した事により交渉は決裂。ロペスの次戦はまたも決まらなかった。

ボブ・アラムは、「トップランクの条件を受け入れていれば、2ヶ月後にマティアスと対戦し、彼(ロペス)はこれまでのキャリア最高の賞金を手にすることが出来た。しかし、彼はそれを断った。彼の頭はどこにあるのか?。 彼が誰と戦いたいのかを私たちに知らせるべきなのです」と困惑。

しかし、93歳の御大アラムは、「彼の頭がどこにあるのか、私にはわからない。 でもね、彼が誰と戦いたいかを私たちに話してくれれば、私たちはそれをアレンジするつもりだよ」と、大人のコメントでロペスの真意を探ろうとしている。

随分前から報酬への不満を口にし、トップランクからの離脱を表明しているロペスだが、トップランクとの契約はそうやすやすとフリーエージェント出来るような簡単なものではないとないというのが通説で、ロペスも思い切った事が出来ないでいる。

これにはアラムの言うように、昨年2月8日(日本時間9日)に米・ラスベガス、マンダレイ・ベイ・リゾート&カジノのミケロブ・ウルトラ・アリーナで行われた、ジャメイン・オルティス(米)=18勝(9KO)2敗1分=との初防衛戦では、117-111、115-113、115-113の際どい判定勝ちを収めたが、「負けたような試合」(アラム)と言われても仕方なかった。。

2024年6月29日(日本時間30日)に米・フロリダ州マイアミのジェームス・L・ナイト・センターで行われた2度目の防衛戦でも、35歳のスティーブ・クラゲット(カナダ)=38勝(26KO)8敗2分=を相手に、見せ場を作る事が出来ずに12回を終了し判定勝ち。ファンは大きく落胆し、関係者からは厳しい意見が寄せられていた。

過去2敗を喫しているマティアスとの対戦には乗り気ではなかったというロペスが、新しいターゲットとしているのは、リング復帰を表明しているWBC世界スーパーライト級休養王者デビン・ヘイニー(米)=31勝(15KO)無敗1NC=。

ヘイニ―は昨年4月20日(日本時間21日)に米・ニューヨーク州ブルックリンのバークレイズ・センターで行われた、ライアン・ガルシア(米)=24勝(20KO)1敗1NC=戦で、一度は敗北を宣告されながら、ガルシアの薬物検査陽性により、試合結果がノーコンテストに変更されたものの、プライドが許さず、1年間の出場停止処分を受けたガルシアに付き合う形で、自らも1年間ボクシングから離れる事を決め、1年後にガルシアと再戦する事を宣言。

しかし、間もなく1年を迎えようとするガルシアの出場停止処分解除後、ガルシアvsヘイニ―がすんなり挙行される雰囲気はない。

”リヤド・シーズン”を主導するサウジアラビアのトゥルキ・アラルシク大臣が、ロペスに対し興味を持っている事が最後の救いで、ヘイニ―戦実現の可能性はあるが、ファンの間での、その実現期待度はいま一つの印象。迷走ロペスの今後に注目。