9月20日(日本時間21日)、米・カリフォルニア州インディオのファンタジー・スプリングス・リゾート・カジノで開催された、ゴールデン・ボーイ・プロモーション興行のメインイベント。WBO世界ミニマム級&WBAスーパー王者オスカー・コラーゾ(プエルトリコ)=12戦全勝(9KO)=に、WBO世界同級7位、WBA10位のジェイソン・バイソン(フィリピン)=14勝(8KO)1敗1分1NC=が挑んだ一戦は、コラーゾが7回1分41秒KO勝ち。

初回、サウスポーのコラーゾがプレスを掛けジャブを上下に送り、左ボディストレート。ラウンド終盤、前に出たバイソンにコラーゾの右フックがタイミング良く後頭部をかすめると、バイソンはバランスを崩しキャンバスへ落下。トーマス・テイラー(米)主審は8カウントを数えた。

2回、コラーゾの左ストレート、右フックに対し、バイソンも右ストレート、左フックで応戦。しかし、コラーゾのスピードが上回る。3回、打っては動くコラーゾはバイソンの右をうまく外し、右フックをヒット。上下に波状攻撃を仕掛け、右フックから左ボディアッパーを決めた。

Oscar Collazo vs. Jayson Vayson

4回、打って出たコラーゾにバイソンの右ボディアッパーがヒットすると、コラーゾの動きが止まり後退。攻撃のテンポが落ちたコラーゾにバイソンの右ストレートが決まる。5回、左ストレートを伸ばすコラーゾにバイソンは右アッパーをボディ、顎に併せ、右ストレート、左フックと打って出た。コラーゾは明らかにボディを嫌がっている。

6回、コラーゾは上下に波状攻撃を仕掛けバイソンを揺さぶる。バイソンは右ボディアッパーから、左フック、右ストレートを返す。7回、打ち合いの最中、コラーゾが左ストレートをカウンターで決めると、バイソンは後退。ロープを背にしたバイソンにコラーゾが右フック、左ボディアッパーで攻勢に出ると、唐突にバイソンコーナーは棄権の意思表示を示し、テイラー主審は試合をストップ。試合はまだまだこれからだと思えただけに残念な結末だった。

バイソンのウリセス佐藤マネジャーが渡米を前に、エディ・タウンゼント賞を受賞している大竹重幸氏に勝つ為の意見を求めると、「サウスポーのああいう速いタイプを止めるには、右ボディアッパーが有効」とアドバイスしていたが、4回に放った右ボディアッパーは、試合の流れを変えた見事なパンチだった。今後の巻き返しに期待したい。