WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ。王者田中恒成(畑中)=20勝(11KO)1敗=vs同級5位ブメレレ・カフ(南アフリカ)=10勝(8KO)無敗3分=。10月14日、東京・有明アリーナ。「PRIME VIDEO BOXING 10」。

スーパーフライ級での初防衛を目指す4階級制覇王者の田中選手は、初回からコンパクトなコンビネーションでカフに迫る意欲的なスタート。しかし、カフも負けじと打ち返し、試合は序盤から激しいペース争いが繰り広げられた。

第5ラウンド、右アッパーで攻め込んだ田中選手にカフの右フックが炸裂。田中選手はたまらずキャンバスへ落下。

ピンチを凌いだ田中選手は、6回、強い左ボディを決め反撃。

ダウンの失点を挽回すべくフルスロットの田中選手に対し、カフも負けじと打ち返し、激しい打撃戦となった。

最終ラウンド、田中選手は左ボディから右に繋げポイントを奪い、試合終了ゴング。しかし、追い上げ及ばず勝者はカフ。

公式スコアはフィル・オースティン(オーストラリア)114‐113、ワレスカ・ロルダン(英)114‐113カフと、ジェシー・レイエス(米)114‐113田中選手のスプリット。

30歳のカフは田中選手の猛攻を凌ぎ、激しい戦いを制した。まさかの王座陥落となった田中選手は、潔く勝者を称えたが、「今は悔しさしかない。試合をどうこう言うより頭が回っていない。とても悔しい」と、無念さを滲ませた。ワシル・ロマチェンコと並ぶ最速4階級制覇を成し遂げた田中選手は、5階級制覇となるバンタム級王座獲得への意欲をみなぎらせていたが、この敗戦により、「先のことは何も考えられないです」と厳しい状況に追い込まれた。しかし、差は僅か。早く気持ちを切り替え、リベンジへのスタートを開始する事を期待したい。